2019年10月27日日曜日

2019.09上旬 立山1泊2日 1日目:室堂〜雷鳥沢



前回せっかくここまで来ておいて人の多さにうんざりし登らなかった立山。今回意を決して行ってみたがかなりいいところだった。


1日目
10:09 室堂BT
10:53-10:19 一ノ越山荘
11:48-11:53 雄山
12:12-12:56 大汝山
13:04-13:13 富士ノ折立
13:47 真砂岳
15:07 雷鳥沢キャンプ場
距離:7.7km 累積標高:登り706m 下り845m 水は2L持参して1L消費。



約五週間ぶりの室堂。草木の色がだいぶ秋に近づいていて、高山の夏の短さを実感する。


雄山への登りは覚悟していたとおりたくさんの人で渋滞気味だ。でもそのせいであまり疲れずに登ることができた。こういうときは余分な思考は止めて流れに身を任すのがいい。
ざっと見て若い人の割合が他に比べて高めだったように思う。岩がごろごろしていて斜度もきついけど、標高差はそんなにないせいか小さい子供も結構登っていた。


前回は雲に覆われて遠景はまったく望めなかったが、この日は薬師岳から黒部五郎、笠ヶ岳、槍ヶ岳まで見渡すことができた。
もちろん嬉しいし気持ちいいんだけど、あまりにあっけらかんとしすぎていて拍子抜けの感もある。これもいいけど雲と霧の合間にギザギザの稜線が見えたり見えなかったりする光景もいいもんだよな、なんて思ったりしたけれどそれはこの快晴の景色を見たから言えることだろう。


奥の方に八ヶ岳も見えてちょっと驚く。でも考えてみたら八ヶ岳から何度も北アルプスを見ているので驚くことじゃないか。今度八ヶ岳に行ったら立山を探してみたいと思ったが、独立峰みたいな八ヶ岳と違い、北アルプスの各峰は連なりの中のちょっとしたとんがりなので同定するのは難しそうだ。



登りきったところに建つ雄山神社の社務所。神主さんたちの宿舎も兼ねてるのかかなり大きい。何か売ってるのかと覗き込んでみたが暗いのと人の多さでよくわからず。何か買いたかったわけじゃないからいいけど。


その先の山頂らしきところに鎮座しているのが本殿。でもあそこに入るには五百円を払う必要があるらしいので行かなかった。


大汝山への岩ごろ道に入る。少しは人が少なくなるかと淡い期待があったが相変わらずつっかえ気味。でもこれから歩く稜線が見渡せわくわくしてくる。


雷鳥沢方面の眺めが素晴らしい。なるほどこんな地形なのかこんなふうになってるのかと何度も足を止めた。大日岳の向こうに富山平野と富山湾も見える。いやいいところじゃないか。


大汝山到着。山頂標付近は写真を撮る人が引きも切らない状態だったのでこんな構図になってしまった。やはり人の多さにげんなりしてくるが考えないようにする。


山頂の少し下のところで黒部湖方面を眺めながら昼食休憩。黒部平の駅とダムが左に見え、正面に針ノ木岳。でも針ノ木方面はまだ歩いたことがないので、行ったことのある山を眺めたときの親近感のような懐かしむような気持ちも当然ながら湧いてこない。来年には行きたいと思っているけどどうなるかな。


昼食中この蝶が飛び回っていた。キアゲハ? 餌になるような物も見当たらず、ただ岩から岩へ飛び回っているだけに見えたが何やってんだろう。しばらく追って写真を撮っていたがそんなのは僕だけで、他にたくさんいた人の誰も蝶に興味を示していなかった。


山頂直下にある大汝山休憩所。後ろの岩の塊が大汝山の山頂だ。特に欲しいものもなかったので小屋の中には入らず。この小屋の周囲もたくさんの人が休憩を取っていた。


富士ノ折立は大汝山からすぐだった。山頂へは人がかたまっている辺りに荷物を置いて往復することになる。僕も荷物を置いて行ってみることにした。


一応登ってみたが、いまさら目新しい眺めもないので長居はせず。


真砂岳は砂ザレの茫洋とした穏やかな様相の山で、これまでのギザギザした岩の連なりから一変する。こういう変化があると飽きなくていい。


真砂岳へは寄らずに済まそうかとも思ったが、ここに来ることはもうないかもしれないのと、きつい登りでもなさそうだったので寄っていくことにした。別山はまたいつの日か。
写真を撮ったりしていた数名もすぐに内蔵助山荘のほうへ降りていった。もう富士ノ折立までの喧騒はすっかり消え、人もまばらになっている。雄山周辺はやっぱり僕にとっては異常だ。いいところだけどあんなに混んでるとまた来たいという気にはあまりなれない。


雷鳥沢へ向け大走りを下る。この下りはきつかった。途中同じように疲れ切った顔の人と、きついですねぇと言葉を交わしたのを覚えている。見るからに辛そうに休み休み後ろ向きに歩いたりしながら降りていく人も見かけた。かかった時間をあとで確認したらわずか1時間ちょっとだったのが信じられなかった。



やっと下り切ってホッとしながらキャンプ場までしばし平地を歩く。たくさんのチングルマがきらきらと綿毛を風に揺らしている。花の時期はかなり良さそうなところだ。今の時期は中途半端なんだよなぁ。晴れる確率が高かったり雪渓が無くなっていたりして気楽ではあるけど。


15時少しすぎにテント場に到着。かなりの数のテントが張られていたがまだまだ余裕がある感じ。かなり広いし眺めが良い。


1時間ほどゆっくりしたあと温泉へ向かう。キャンプ場に近い雷鳥沢ヒュッテは混むだろうと思い、奥のロッジ立山連峰に行ってみた。でもなんだか工事中のような様子。ちょうど従業員らしき方が見えたので尋ねると、裏の受付にまわってくださいとのこと。この矢印は裏に行けということか。矢印の方向には雷鳥沢ヒュッテの温泉施設が見えるのでそっちに行ってということかと思っていた。

受付で700円払い地下の温泉へ。いったん脱いだが鍵付きのロッカーがないのに気づき、再び服を着て受付へ戻り財布などを預かってもらった(そう指示した紙が貼られていたのを見落としていた)。
先客は脱衣所に一人と外湯に一人の二人だけ。よしよし。しばらくすると二人ともいなくなったので独り占めになった。やった。
風呂は広めの内湯と、外のバルコニーみたいなところに一人か二人ぐらいしか入れない狭い外湯がある。内湯にちょっと浸かったあと、外に出て湯に浸かったりフルチンで涼んだりして過ごした。最高の気分。劔御前小屋方面から降りてくる登山者が見える。彼らからこっちは見えてるだろうか。フルチンで佇んでる僕を見て羨ましく思ってるかもしれない。


風呂には石鹸とシャンプーが備えられてる。ということは下水道が整備されているということか?
温泉から出て、椅子に腰掛け置いてあった富山の新聞を読みながら生ビールを飲んだ。あとは帰って軽く飯を食って寝るだけだ。幸せだなぁ。


温泉を出て道なりに上へ歩いていくと地獄谷が少しだけ見えるところへ出た。通行止めの柵と看板がある。少しの間ここに腰掛けわずかに吹いている風に酔いとほてりをさました。

地獄谷方面を見ながら昔の光景を想像してみる。立山信仰の繁栄にはこの地獄谷の存在も大きい役割を果たしたはず。いつかもっと近くまで行ってみたいが、地震や噴火が盛んになってきている昨今の状況を思うと望み薄かもしれない。



素晴らしい展望で変化もそこそこあり、温泉にもゆっくりと入れとてもよかった。
ただ人の多さに辟易するところもあったので今回歩いた稜線はたぶんもう歩くことはないと思う。でもミクリガ池周辺は歩いてみたいかな。

2日目


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