2019年11月28日木曜日

2019.09上旬 立山1泊2日 2日目:雷鳥沢−一ノ越−黒部ダム



1日目

タンボ平全景。ほんと何でもない穏やかなとこに見えるのにここはすごく疲れる。でも静かでいい。この日は誰にも会わなかった。
今回はこの区間のことを多めに書いてみたい。



雷鳥沢テント場 4:27
一ノ越山荘 6:13-6:31
東一ノ越 7:26-7:36
黒部平 9:39-9:48
ロッジくろよん 10:29-10:37
黒部ダム駅 11:07

前回へとへとになったのでもう二度と歩くまいと思っていた一ノ越から黒部ダムへの道。でもお金をかけずに帰るならやはりこの道を使うしかない。で、今回もやっぱりへとへとになった。
前回同様下界は猛暑だったのでその影響もあったかもしれないが、僕にはなにより岩の段差がこたえた。



いつものように真っ暗な中出発。テント場を抜け、轟々と流れる沢音に恐怖しながら橋を渡る。
対岸のだたっ広い草原地帯に入るとすぐに大走りと一ノ越の分岐があり、そこで少し身支度を整えたあと、右の一ノ越方面へ向かう。



後で知ったところによると、この道は神の道と言われているらしい。神って言葉は安易に使われ過ぎだと思うがここは何か由来があるんだろうか。

山と高原地図にはこの道の途中に迷いマークが描かれていて、確かにその付近には踏み跡が分岐してるところがいくつもあった。なんでこんなにと不思議に思うほど踏み跡が多い。でもまぎらわしいところには必ずしっかりとしたマーキングや看板があるので普通に歩いていると入り込むことはなさそうだ。それに顔を上げると道や建物や登山者が目に入るところなので安心感はある。


草むらを熱心に突く雷鳥さん。近くにもう一羽メスもいた。この辺りはほんと雷鳥が多い。人間が天敵除けの役目をしてるんじゃないかと思う。


昼間の喧騒が嘘のように静かな一ノ越山荘に到着。
売店に入ってコーラを買い、甘い物同士の組み合わせで躊躇したけど他に腹にたまりそうな物が見当たらなかったのであんぱんも購入。誰もいないベンチに腰掛けて食べた。
前回予想外に時間がかかったのと暑さで水がギリギリだったので、テント場を出るときに2300mlほど担いでいてそれがほとんど手付かずのまま残っている。これだけあれば黒部湖まで余裕だろう。


しばらく周りをうろうろしていた岩ヒバリが、隣のベンチにちょこんと乗っかってきて僕と同じ東一ノ越方向をしばらく見つめていた。雷鳥ほどじゃないけどこの鳥もあまり人を怖がらない。
人の食べこぼしをついばむために、この閑散とした時間帯を狙って来るんだと思う。


だいぶ体も冷えてしまった。さて行こう。


8月始めに来た時はたくさんの花で賑やかだったこの道も、もうだいぶ寂しくなってしまった。


今だと全く記憶に残らないようなところだけど前回はここの雪渓が最大の難関だった。


東一ノ越到着。
今回歩いてみて気づいたが、この道は黒部ダムを作るときのボッカ道として整備されたんだと思う。で、ここに残っているセメントの土台や木の柱のようなものは、たぶん資材を上げ下ろしする建造物の名残だろう。



獅子岳、鬼岳、龍王岳の三兄弟はここで見納め。鬼岳の雪渓は完全に姿を消している。また雪の残る時期に歩きたいな。


一休みしたあと急斜面につけられたジグザグ道を降りていく。ザレているので慎重に。ところどころ木段が設置されているがけっこう傷んでいる。黒四ダム建設時に整備されたきりなのかもしれない。木段はところどころ崩れたりしているが歩くのにそれほど支障はない。でも下からむき出しで突き出ている留めの鉄筋には注意したほうがいいかな。


前回来た時はこの右側の窪みに雪渓が残っていて、そこでちょうど道が途切れていたためちょっと迷ってしまった。
もうすっかり雪は消えているのでここも難なく通過。以前予想したように、一旦この窪みの底を少し歩いたあと、また元に戻るように道がつけられていた。


窪みからまた左岸に戻り、岩ゴロ道を緩やかに下っていく。
正面に小さく黒部平駅が見えていて、あそこまで楽勝に思えるが実際歩くととても長い。


さっきの沢状の窪みは除いて、こんな岩ゴロの沢を確か四つ渡った。これがその一つ目。標高2170m付近。どの岩ゴロ沢も人が間違って入らないように矢印やバッテンがでかでかと書かれている。
確かに草木が繁っているせいで対岸の入口が見えづらかったりするが、これだけ目印があれば間違える人もいないだろう。このコースの岩ゴロ沢は横断のみで、沢の中を上り下りする箇所はないのでそれを覚えておくといいと思う。


その沢を渡ったところで初めて見た草刈りの跡。けっこう茂ってきているので去年刈られたのかもしれない。
このあと黒部平までのあいだで草刈りの跡を何箇所も見た。作業された方はおそらく黒部平を拠点にここまで来たんだろうが大変だったろうと思う。


二つ目の沢。2168点の少し下あたり。8月頭に来た時はちょうどここで雪渓が切れていて難なく渡ることができた。
これからだんだんと展望が無くなってきてこういう開けたところは貴重になってくるので、ここで少し長めの休憩をとった。


三つ目の沢から上を眺めたところ。ここは端っこの方にちょろっとした水の流れがある。
右上に見えるのは大観峰駅。もうだいぶ歩いた気がしたが、地図を見るとまだ東一ノ越と黒部平の中間あたりで、ちょっと愕然としてしまった。


ここからがまた長い。蒸し暑く展望のない単調な道が続く。こんな風に草木が繁っているところが何箇所もあるけれどヤブとまで言えるようなところはない。道はしっかりしていて迷うところもない。ただ、この雰囲気なので熊よけの対策はしたほうがいいかも。出会い頭が怖い。

朦朧としながら歩くうち、ロープウェイの行き来する音やアナウンスが聞こえてきだす。でも草木に阻まれその姿を見ることはあまりない。そして(何度も同じことを書いているが)なっかなか着かない。ただ黙々と歩くのみだ。


黒部平駅がチラリと見えた。もうちょい。


やっと黒部平の分岐に到着。ここに着くとほっとする。真っ直ぐ行くとケーブル駅で、ロッジくろよんへはここで右へ向かう。


途中に大木が連なる地帯がしばらく続く。なぜか知らないが、岩の上に乗った木や絡み合っている木が多い。


ロッジくろよんに到着。恒例の自販機ジュースで一人祝杯を上げた。350ml250円。
もうちょっと行けば黒部ダム周辺でもっと安くジュースが買えるかもしれないけど、まあ儀式みたいなもんかな。


黒部ダム駅のトンネルに入る手前で振り返って。
あの山の向こう側から歩いてきたんだと思うとちょっとした感慨を覚える。
やはりこの道はきつかった。でもまた同じコースを使うだろうな。

この後は扇沢でこれも恒例のダムカツカレーを食べ、大町温泉郷で汗を流し、ぎりぎり取れた高速バスで帰宅。休日だったので到着が1時間遅れたがほとんど寝てたので気にならなかった。



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