不老山から西へ伸びる稜線に惹かれ、いつか歩かなきゃと思っていたこのコース。
最後は大きな富士が出迎えてくれた。
10:33 不老山
11:05 - 11:12 サンショウバラの丘
12:32 - 13:08 湯船山
16:12 三国山ハイキングコース入口バス停
前半の白クラノ頭手前あたりまでは植林主体で、後半は雑木が主体。ちょうど半分くらいできれいに分かれた。
代表的な展望地はニ箇所、サンショウバラの丘と鉄砲木ノ頭だが、ところどころで箱根や愛鷹山などの眺めが良いところがある。
この日会った登山者は二人だけと思ってたより全然少なかった。あまり人気のあるコースじゃないのかな? 落葉をかさかささせながら誰もいない雑木の尾根を歩くのはとても気持ち良かった。
駿河小山駅を出て西へ進み、コンビニへ立ち寄って食糧補給を済ます。
コンビニを出て車道をしばらく東に歩いていくと、富士箱根トレイルと書かれた標識があったのでそれに従って進んだ。
右へ分岐する道が出てきて、先に巡視路の黒階段が続いているのが見える。
標識は倒れているが、まあここから入るんだろうなと思い右折。手摺のついた急な階段を登っていく。
南からの尾根との合流地点は、朝陽が差しこむ雰囲気のいい雑木林が広がっていた。
目に付いたにぎやかな標識には、登ってきたのと逆の方を指して県境尾根ルートと書かれ、踏み跡が続いているのが見えるが、立ち入らないようロープが張り巡らされている。東電の巡視路だろう。
このにぎやかな標識は地元の方が作っているようで、同様の物を何年か前に大洞山から鉄砲木ノ頭あたりを歩いたときにも見た。どれくらい年月が経ってるかわからないけど、結構際が欠けたりしているし、倒れているのも多かった。最初はもっと色鮮やかだったんだろうな。
道自体は非常にこなれていて、いくつもあるピークはことごとく巻き、できるだけ楽に歩けるようにつけられている。トレランの人や自転車乗りが好みそうな(登山者もか)なだらかな道だ。でもなぁ…。せっかく何日かぶりに晴れたのに朝の陽が遮られているのはかなしい。
←不老の活路と書かれているが、今歩いてきた道のことなのか、別に道があるのかよくわからなかった。
目を引いたのは右下に白で書かれている文面で、56本の標識を設置したが全て破壊された、ひどい、というようなことが読み取れる。何があったんだろう。
もし今歩いてきた道が不老の活路ならば、富士箱根トレイルとして町が整備し直すに当たって、邪魔、必要ない、うるさい、といったことだろう。
普通に考えれば2~3時間の道のりに56本の標識は多すぎる。でもこれはちょっと特殊だし、そんな登山道が一つはあってもいいなと僕は思う。この人の持ち山だったら何の問題にもならかったんだろうけどな。
左に林道が並走するようになってしばらく行くと、鉄塔の立つ伐採地に出た。いい眺めだが電線が邪魔ではある。
ここで最初の休憩。日差しはあるが風もあるのでウインドブレーカーを羽織ろうと思ったら、家に忘れてきてしまっていた。毎回何かしら忘れるが今日はウインドブレーカーか。
代わりにフリースを被ってしのぐことにした。すぐに植林帯に入って斜度も上がってきたのでちょっと暑くなったが、時折吹きぬける風が驚くほど冷たいので脱がずにそのまま歩いた。
不老山到着。
ここまで誰にも会っていない。この辺りはあまりなじみが無いから様子がよく分からないが、あまり人気が無いコースなのかな?
山頂の写真だけ撮ってUターンし、ここからは稜線を西へ、最後に待ちうけている富士山目指して歩くのみだ。よしっ、という心持ちになる。
しかし、気のせいかさらに暗さを増したように感じる植林帯の急下りにテンションも下降していく。稜線に出たら植林も途切れるかもしれないとほのかな期待を持っていたが甘かった。
舗装路がちらちら見えてきて、車が数台停まっているのも見える。
降り切ったところが林道の横切る世附峠で、何かの工事をやっているようだった。
峠には大作が設置されていた。
右が植林で左が雑木という道を登っていくと、眺めが良いところに出た。箱根と愛鷹山のきれいな裾野が目を引く。
もう少し先へ進むと右側も雑木になり、甲相国境尾根もすっきりと見えるようになった。
サンショウバラの丘と書かれた標柱が建ってる横で本日二度目の休憩。サンショウバラって花の名前だよな? 今日は他に誰もいないが(というかここまで誰とも会っていない)、花の咲く時期には多くの人が訪れるのかもしれない。とてもいいところだ。暗い植林帯の後だからなおさら良かったんだと思う。
富士山はこんな感じで手前の山に遮られて良く見えない。富士山を隠している大きい三角の山が三国山だろうか?
ここだけなぜか砂地になっている道を下って、再び植林帯に入る。この辺りで本日初めて登山者と会った。
細かいアップダウンをこなしていく。ブナの大木に出くわし、立ち止まって写真を何枚か撮る。ふと気づくと、いつの間にか周りは雑木一色だった。
12:32 湯船山到着。
ここで昼食。なんの変哲もない木に囲まれた山頂だが、ある程度陽当たりがあって気温も上がってきたせいか、ゆっくり落ち着いて休むことができた。
雑木主体の気持ちいい道をかさかさと歩き、明神峠に降り立つと、おじいさんが熱心に立て看の地図に見入っていた。おっ本日二人目の登山者だ、と思ったがそうじゃなく、休憩か何かで車を停めているだけのようだった。山歩きに興味を持っているのかもしれない。
どこから来てどこへ行くのか聞かれ、あそこから来てあそこまで行く、と、地図上で会話を交わし、気をつけての声をあとに三国山へのゆったりした登りに足を踏み入れた。この辺りの木々の雰囲気も良かったなぁ。
しかしこのゆったりとした登りは意外と応えた。なだらかなので知らず知らず速足になってたのかもしれない。
三国峠を超えていく舗装路がしばらく並走し、やがて登山道を横切っていく。そこから先さらに斜度が上がったので、周囲の展望を眺めつつ休み休み登っていった。
14:48 三国山到着。展望はない。
ここで右折し、三国峠へ向けて落葉に覆われただだっ広い斜面を下っていく。ちょっと道が判然としないところもあるが、テープはたくさんついていた。
いくつも細かいアップダウンを繰り返してきたが、これが最後の登りだ。
左を見るとカヤトの隙間から大きな富士山が見えてテンションが上がる。
15:20 鉄砲木ノ頭到着。
最後は暗くなるかもと心配だったが、そうなったらなったで夕日の落ちる富士が見れるなとも思っていた。
このままあと1時間半ほどねばれば夕焼け色に変わっていく富士が見れるんだろうが、寒いしそんな気はまったくない。カメラを抱えた人がパラパラ登ってきたのを潮にバス停へ向け降りることにした。
背の高いカヤトの間を下っていくと、草むらに陣取ってカメラを構えるグループや家族連れの観光客と出会うようになってきた。もしかしたらダイヤモンド富士だったのかな?
そのまま休むことなく一気にバス停まで降りると、ちょうどあと数分でバスが来る時間だった。よしっ。
バスの中にも、熱心に富士山の方へ向けてカメラを構える若者がいて、思わずつられて同じ方を見たが、座っていた座席の窓ははめごろしの戸袋兼用窓だったので何も見えない。まあ散々見たからいいやと自分を慰めた。
駅に着くと次の電車は新宿直通の富士山号だった。素晴らしい。今日はついてるのかもしれない。大月と高尾の乗り換えがないのは楽でいい。
お土産を買ってホームに出て身支度をしなおしたところで富士山号が到着。すぐに寝落ちし、高尾を過ぎたところで目が覚めた。
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