2019年8月18日日曜日

2019.07中旬 カヤノキビラノ頭北尾根途中まで テンとクマに会う



テン!


7:12 セブンイレブン甲斐大和店
8:18 林道分岐
9:18 北尾根分断地点
9:38 引返し地点
10:23 クマ目撃
11:12 笹子峠
12:45 笹子駅


カヤノキビラノ頭北尾根は、1100m付近で地形図に載っていない林道が高い擁壁をともない横切っていたため最後まで歩き通すことは不可能だった。東側の支尾根から登れるかもしれないけど、とりあえずはいいや……。


甲斐大和駅を出てセブンイレブンで補給し、笹子峠へ向かう。
駒飼宿という甲州街道の旧宿場を抜けてからしばらく舗装路歩きが長いが、登り口などは無いかと周囲を観察しながら歩いたので退屈はしなかった。横を続けざまに大型車やバンが通り過ぎていく。工事か? 


2年前雲母山目指して取り付いた場所を過ぎる。ここは下の方は暗い雰囲気だけど、上の方は眺めのいい伐採地があって気持ち良かったので、前回と趣向を変えてまた歩いてみたいと思っている。


カヤノキビラノ頭北尾根が立ち上がっていく辺りに差し掛かると道が分岐していたのでとりあえず入ってみた。


最初の分岐で左を選択。帰ってきて地図を見て気づいたが、このとき分けた右の道がのちに1100m付近で合流した道だった。そして前から興味を持っていた雲母山へ通じる市境界線沿いの道と、たぶん踏み跡があるだろうとにらんでいるP1487へ繋がる尾根への分岐が途中あるはずだ。どっちもそれほど真剣に考えていなかったコースだけど、その入口を自分の目で見たことで歩いてみたいという気持ちがくっきりと強く浮き上がってきた。でもクマに会ってしまった今となってはちょっと腰が引けてしまってもいる……。


しばらくは小さいうねりのあるわかりにくい地形の中を進む。周りは薄暗い植林帯だ。
少し開けたところがあるなと近寄ってみると、伐採跡地に保安林改良事業施行地と書かれた看板が立っていた。この後もちょこちょこんな伐採跡地を見かけることになる。


トラバースっぽい道が右に分岐している。
こういう分岐が何箇所かあり、常に尾根を選択した。


基本的に歩きやすかったがこんなぼさついた感じのとこも少しだけある。地形図には出てこない細尾根もあった。


視界の右隅で何か動いた気がして目を向けると大きいリスのようなのが木を登っているのが見えた。
いやリスにしては大きすぎるなと目を凝らすと、テン?
ちょこまか動きつつも好奇心丸出しでこっちをじっと見ている。オコジョみたい。

可愛すぎる



 P1052。


おっ? 道か? 地図には何も描かれてないが。


うわっこれは……。

こりゃ無理だなと思ったが、一応上がれそうなところがないか探るため右へ進んでみることにした。


歩き出してすぐに、右下から上がってくる道を発見。
地図で見ると、最初右に分岐していった道だった。なかなかしっかりしてるように見える。これは歩いてみたいなぁ。



懸念したとおり、急傾斜の擁壁がずっと続き取りつく島が無い。擁壁が切れているところもあったが登れる角度じゃなかった。
そして林道は、もう見捨てられた感満載の荒れ具合だ。
何のために作った道だろう? 鉄塔を建てるか何かで一時的に通した道なのか。

この近くの雲母山、二本木山の辺りにも林道が何本か通っていたけどあれと繋がってんのかな? あっちは車が入って植林作業もしていて普通に使われている様子だったけど。


隣の尾根まで来たところは林道のカーブ部分が待避所兼資材置場といった感じで広々と整地されていた。……にしても広過ぎないか? 


その広場から尾根を見るとこんな風になっている。
擁壁が崩れていて登れそうだ。でも登りたいという気はまったく湧いてこない。冬からずっと小さい山ばかりだったからこの日はちょっと気合いを入れてきたんだけど。。。この阻むように生い茂る緑に気圧された気がする。冬ならまた違ったかな? どうだろう。


少し休んだあと来た道を戻り、さっき林道に出てきたところで石に腰かけ昼食を摂った。
あとはゆっくり偵察も兼ねながら笹子峠方面へ下っていこう。


下から上がってくる林道に突き当たった。左はどこに降りていくのか興味を惹かれたが、林道に沿って取付きを探ろうという目的があったので降りるわけにはいかない。右折して笹子峠方面へ進んだ。




そしてここ。降りてきている尾根に沿って林道が膨らんでいるところ。
これまで同様、様子を探ろうと下のほうを覗き込むため林道の縁によっていったら、真正面の木に掴まっているクマと目があった。
かなりびっくりしたが、背を向けて逃げちゃだめっていう何かで読んだ知識が頭に浮かんだので正対したまま後ずさると、すぐにクマは視界から消えた。
こっちに向かってくるかもしれないとしばし緊張したが、ざざっという音が聞こえたあとは静かになった。よかった…。体長150~160cmぐらいでそんなに大きいクマじゃなかったが丸々としていて、目があった数秒間いろいろなことを考えた中に、可愛いなという想いもあった。この辺りに人が来ることなんて滅多にないだろうからこのクマも初めて人間を見たのかもしれない。
特にドキドキすることもなくほぼ平常心なのが自分で以外だったが、もしクマがこっちに向かってきていたらアドレナリンが出まくっていただろう。林道の法面越しだったのは大きかった。そういえばこの日の朝、クマ対策として傘(傘を広げると威嚇になって逃げていくと何かで読んだ)をザックの横に挿しておこうと思って忘れていたんだったがあれは何か虫の知らせだったのかもしれない。


十秒ほどじっと様子を伺ったあと出発。長居はしたくない。


山側へ入っていく道があったので入ってみる。
が、やっぱりクマに会ったのもあってあまり気分が乗ってこない。あれは警告だったかもしれないよ、この後またクマに会ったりしたら今度は無事じゃ済まないかもしれないよ、というもう一人の自分の声に従い、ちょっと入っただけで引き返した。


緩やかな地形で目をつけていたP1036付近に差し掛かるといきなり道が綺麗に整備されていて、登れるかなと考えていた山側にはびっしりと幼木が植えられている。そして曲がり角のところは工事中だった。
何か引き揚げ作業のようなことをやっている人がいたので挨拶して通り過ぎる。


笹子峠道に合流。


工事の張り紙。


もう一つの目的だった中尾根ノ頭北尾根の取付きらしき痕を発見。ここはまたいつか探ってみよう。薮かもしれないので夏はやめておいたほうが良さそうだ。


笹子峠通過


途中矢立の杉へショートカットできる道があった。前通った時は気づかなかったので最近できたのかもしれない。標識も新しい。


こんな道。


矢立の杉を通過。
観光客が二人いた。


ここを左に入ると林道をショートカットできる。


いつかは出会うはず、できれば会いたくない、けど見てみたい、といった複雑な気持ちを持っていたクマに、段差の大きい法面越しというある程度安全な状況で出会えたのは幸運だったと思う。そして嬉しい。テンも見れたし。






0 件のコメント:

コメントを投稿