この尾根に道が描かれているのにはもちろん気づいていたけれど別に登らなくていいかなと思っていた。でも他に歩きたい山も思い浮かばず、それに、この界隈でやることはやったんだという感触を得るには避けて通るわけにもいかないかなという思いもあるといえばあったので、GW10連休の喧騒を尻目に、ほとんど顧みられることのないであろうこの短い破線を歩くため大月駅に降り立った。
地形図だと尾根の途中までしか破線が描かれていないが実際は最後まで踏み跡があり、稜線に出たところは見覚えのある植林苗木地帯だった。
8:16-8:25 稜線(植林苗木地帯)
9:10-9:18 菊花山
9:53 大月駅
ひと月ぶりの菊花山。セブンイレブン付近から見るこの眺めももはや定点観測の感がある。茶灰色だった山肌は一ヶ月ですっかりこの時期独特の緑に様変わりした。落葉樹の一年を人の一生に例えると今は小学生か中学生といったところか。
僕だけかもしれないが冬にはなぜか独特な寂しさを感じる菊花山への破線登り口付近。でも今は瑞々しい若葉によって印象が一変している。これから何かいいことが起きそうな予感さえ覚えたが、もちろん特に何も起こらなかった。
御前山への分岐を見送り、林道を真っ直ぐ進む。
林道がカーブするところで沢を覗き込んで撮った写真。地形図ではこの沢沿いに道記号が描かれているがこの有様だ。でもテープは沢の中に点々と続いていた。水量は少ない。
今この写真を見て気づいたが、奥の斜面に高巻きの踏み跡があるようにも見える。
車道の突き当たりを過ぎ山道に入る。写真真ん中辺りに植林作業用と思われる広場があり、何があるわけでもないが少しうろついてみたりした。際まで行って沢を覗いたらやはりテープが点々と続いているのが見えた。
昔は峠道で今は植林作業用に使われていると思われるこの道をこれまで二回歩いていて、一応取付きの目安はつけていたつもりだったが、いざ来てみるとテープがいたるところにつけられているのもあって入口が良くわからなくなった。どこだっけとGPSを見ながら場所を特定した上で、尾根末端に乗るため枯れた小沢を渡ろうとしかけたときに撮ったのが上の写真。
尾根に乗ったところから進行方向を見る。
そのまま歩いているといつの間にか道が出てきたのでその上を進む。地形図上では沢に道があるように見えたが実際は尾根の左端につけられていた。でもすぐ左の沢の中にもやたらと赤テープが続いていたのでそっちに本来の道がありこっちは後でつけられた新しい道なのかもしれない。
快調に進んでいると崩壊地に行き当たってしまった。それまでのはっきりとした道は土砂に流されている。
地形図によるとこのまま沢沿いを進んだ後に小尾根を登って本尾根に合流することになっている。
一旦沢へ降りるか、高巻いてトラバースするかとか考えたが、苦労する確率の方が高いので、斜面を登り尾根に上がることにした。
この斜面を登っていく。
無事尾根に乗った。はっきりと道の跡がある。
ペットボトル発見。
本来歩こうと思っていた破線と合流する地点に境界杭があった。
その合流地点から、破線が上がってくる小尾根方向を見たところ。
そこから先も踏み跡があり、特に歩きにくいところもなかった。
もうすぐ稜線に出るという辺りでロープを発見。特に難しいところでは無いので、重い物を運んでいる場合などの補助として張られているんだと思う。
稜線に出る直前。
稜線に出た。御前山と九鬼山を結ぶ登山道が通っている。
すぐ左には見覚えのある植林の苗木帯が。御前山から西に少し下ったところだ。なんだここに出るのか。だから踏み跡があったのか。
その苗木地帯からほんの10mほど西に行ったところが登ってきた尾根の頂上。
その脇は少し開けていて、滝子山方面を見ることができた。
沢井沢ノ頭方向へ向かう。
沢井沢ノ頭まで行こうと思っていたが、面倒になり菊花山方向へ右折することにした。
この道は植林が多くあまり魅力的ではない。
前に歩いた峠道付近に差し掛かると、よく見ないとわからない駒橋方面への踏み跡があるのに気づいた。迷い込まないよう標識も建てられている。
ここが西側の沢井への降り口だが、普通に歩いているとまず気づかない。
駒橋散策路から登ったときの稜線合流地点に差し掛かるがどこが降り口だかさっぱりわからない。たぶんここだったようなと思って撮ったのが上の写真だが自信なし。だだっぴろい急傾斜の斜面だからわかりづらい。またわからなくていい。急なのでアイゼンかスパイク靴でも履いてないと滑らずに降りれないだろう。
さっきまでのぼそぼそした様子と打って変わって雰囲気が良くなってきた。菊花山南面は植林が覆っているが北面は雑木が主体だ。
山頂。冬だと踏み跡がはっきりわかる北尾根の入口も、五月の青葉が覆い尽くしている。
富士山も遮られている。
蝶が一生懸命ツツジに食らいついていた。他に人もいなかったのもあって、春の穏やかな陽気のもとカメラを抱えて長い時間蝶を追った。
展望場からの眺め。
ロープの張られた急な道を降りていく。
途中の分岐から北へ折れ、祠のある登山口に降りた。
こっちの道のほうがロープが張ってあったりして無辺寺へ降りる道より急だ。
大月駅のホームで高尾行きを待つ。まだ10時過ぎだというのにこれでいいのか。
リサとガスパールなつかしいなぁ。展覧会に行ったり、一時期携帯の待ち受けにしてたりしてた。
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