薬師峠 3:28
薬師岳 5:43 - 6:01
北薬師岳 6:54 - 7:09
間山 8:36 - 8:46
スゴ乗越小屋 9:38 - 10:18
スゴ乗越 10:56
スゴノ頭 11:44 - 11:46
越中沢岳 13:26 - 13:44
鳶山 15:35
五色ヶ原山荘 16:05
9:38 スゴ乗越小屋に到着。
その周りに並べられた渋い一輪挿しや人参のヘタなどに目を惹かれる。ヘタから伸びる若葉がとても瑞々しい。
このディスプレィの感じから料理も楽しんで作っていそうに思えたので、どんなカレーなのか興味を惹かれたが、ないものはしょうがない。ノーマル味のカップラーメンを買って外の椅子に腰掛け食べた。この先の登りに備えアミノバイタル500mlも購入しその場で飲み干す。どちらも400円。
出発時水を3,6L担いでいたがそんなに減ってないのでここでは汲まなかった。
スゴ乗越小屋からスゴ乗越までが意外に長い。相変わらず湿気でむんむんする道をずんずん下っていく。
ちと緊張する下りが一箇所あり。
スゴノ頭をこんなに見上げるところまで下ってしまった。高度計の数値は2143mで、この日の行程中一番標高が低い地点になる。ふぅ…。
さて登るか。
最初は草木が登山道に覆いかぶさるように密生している湿気の多い樹林帯から始まる。
登り始めからギャーンと機械の音が聞こえていて、だんだん近づいてきたと思ったら若い男の子とおじさんが草刈り中だった。そういえば小屋の看板に草を刈ってますと書かれてたな。
すぐに傾斜がきつくなり、大きい岩が目立ってくる。岩も部分的ならいいアクセントになるけど長く続くと膝痛を抱える身には辛い。
標高をあげるにつれまた見晴らしが良くなってきたので、頻繁に脚を止め、景色を眺めつつじっくりじっくり登っていった。しかしここは下りもきついと思う。
登りきった! と思ったら…。
11:44 やっとスゴノ頭に到着。でもここは山頂ではなく、後ろに見えてるピークがほんとうの山頂になる。
今いるところと大差ないから行ってもしょうがないというのと、すぐそこなんだから山頂を踏んでおこうというのとふた通り考え方があると思うが、この時はあそこが山頂なんだなと思っただけで、行く行かないの発想自体出てこなかった。
さて次は越中沢岳だ。
ここからはザレ気味のジグザグを下っていく。急だが標高差は百メートルほどなので長くはない。
下り終えたところでこれからの登りに備え一息つく。
よし行くか。
スゴ乗越~鳶山までの急登連続地帯のなかで一番こたえたのがこの越中沢岳への登りだった。
スゴノ頭への登りの方が斜度はきつかったと思うが、こっちの方がガレとザレで神経を使うところが多く、距離も長い。気を抜いてると迷いそうなところもある。
僕は一度道を間違ってザレ場のただ中へ進んでいってしまい、ずりずり滑る斜面につま先を蹴り込みながらへばりつくように元の道へ戻った。完全に集中が途切れて思考が雑になっていた。
さっきのスゴノ頭同様、ここも下りは苦労しそうだ。神経がすり減りそう。登りと下りどっちか選べと言われたらどっちを選ぶだろう? やっぱり下りかな?
よし、もうちょい!
えぇ…。
まだあんなにある…。一歩一歩僅かずつでも登っていくしかない。
ガーン!
というようなことを繰り返しながらヨタヨタと歩き、
13:26 ヘトヘトで越中沢岳に到着。他に誰もいない山頂でしばらく放心状態。
汗でびしょびしょだったが、風に吹かれているうちに徐々に引いていき、息も整って気持ちも落ち着いてきた。
五色ヶ原山荘が見える!
昭文社の地図だとここから五色ヶ原山荘まで2時間50分。休み休み歩いても16時半ぐらいには着くだろう。もうビバークの心配はほぼ不要となった。
しかしここからあそこまで3時間近くもかかるのかな? もう一つアップダウンがあるからか?
薬師岳。近くに見えるけどここまで遠かった。やはりこうやって見ると大きい山だなぁと思う。
もし今回五色ヶ原のほうから歩いてきてたとしたら、あの稜線を見てどんな気持ちになったろう?
13:44 越中沢岳を出発。思えば越中沢岳の登りから誰とも会っていない。この山頂でも20分近く一人で過ごすことができた。こんな眺めがいいところで一人きりというのは非常に気分がいい。ちょっとしたご褒美だな。
越中沢岳からの下りはなだらかで、そのなだらかな草原を通る道の線が遠目にはとてもいい感じに見えたが、実際歩くと石と岩が多くて歩きづらかった。
この辺りから早く歩き終えるのがもったいないような気持ちが出てきて、ペースを落とし気味にし、休憩も増やすことにした。17時過ぎテン場到着→設置→飯→寝る、という流れが無駄がなくていいなと思ったけど、そうするにはどこかで長い休憩を取らないといけない気がする。初めて歩く道でそんな調整できないなとぼんやり考えていたら、鳶山で飯食っていけばいいじゃないかと閃いた。でもそれだとビールが飲めない…。却下。
たおやかな稜線の道が終わると木道が敷かれた急下りになる。
で、その下りから見た鳶山が思いがけず巨大で軽く唖然としてしまった。こんなはずじゃ…。
ここにきての鳶山の登りは効いた。歩き出してから11時間を超えてるわけだからまあ無理はない。しかしこの急登三連チャンはほんとに辛かった。
でももう最終盤なので気は楽だ。時間調整も兼ねて休み休み登っていく。
振り返って見る越中沢岳は、逆から見たのと比べ穏やかな様相をしている。薬師岳もだいぶ遠くなった。
15:35 鳶山到着。休憩中の人がいたので挨拶だけして通過。
ここで五色ヶ原とご対面となった。
小屋の数分手前で、名残惜しく振り返って撮った写真。
左の熊の耳みたいな山が鳶山で、こう見ると鳶の両翼に見えなくもない。あそこからここまで30分かかっている。
着いた! ガラリと戸を開けて受付に行きコーラとビールを購入。テント代は700円で他より少し安い。コーラ250ml缶300円、アサヒドライ500ml缶800円。
受付をしてくれたヒッピー調というかネイチャー系な感じのおじさんにどこからですかと訊かれ、薬師峠ですと答えると、アップダウンがきつかったでしょうと言われ、思わずどれだけきつかったかを語りまくりたくなったが、いやあんなきついとは思いませんでしたよと言うにとどめておいた。
受付を済ませ小屋の外で少しの間呆然としていると、近くにいた人たちからお誘いがかかり、そのまま宴会に参加することに。
上からテント場がガラガラだったのが見えていたので、あくせくする必要はないと思いゆっくりおしゃべりに興じた。なぜガラガラなのかは不明。
ここでも今日の行程のきつさを熱弁したかったが、同じコースを歩いてきた人たちばかりだったので止めておいた。皆さまごちそうさまでした。またどこかの山でお会いしましょう。
小屋の人が食事の知らせに来たところで宴は終了。ほろ酔いの足でテント場へ向かう。
全く知らなかったのだが、宴席での話によると五色ヶ原山荘は風呂に入れるらしい。受付で何も言われなかったのでテントの人はたぶん入れないんだと思う。八ヶ岳のオーレン小屋はテントの人も入れたなぁ。
テント場へは小屋から標高差80mくらい下るので、お酒や飲み物は受付時に買っておいた方がいいかもしれない。缶捨て場はテント場にあるし。他にトイレ(男の小用は昔公園にあったような便器も仕切りもないやつだが大用は新しく綺麗)、水場がある。水は要煮沸と書いてあったが僕はそのまま飲んでお腹の調子が悪くなったりはしなかった。
ガラ空きのテント場に17:16 到着。意図せずちょうどいい時間になった。
足がつることもなく、膝の痛みも出ず、無事に寝袋に包まれることに感謝。きつかったけど楽しかった。晴れてよかった。お休みなさい。
3日目
2日目その1
1日目
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