2017年10月23日月曜日

2017.8下旬 栂海新道を上る 親不知→猿倉2泊3日 3日目: 朝日小屋から猿倉



白馬岳山頂から




朝日小屋 2:37
朝日岳分岐 6:06
雪倉岳 8:44
雪倉岳避難小屋 9:11 - 9:18
鉱山道分岐 10:03
三国境 10:49
白馬岳 11:26 - 11:29
白馬山荘 11:40 - 12:25
白馬尻小屋 15:19
猿倉 16:10

行動時間:13時間33分 歩行時間:12時間
最大標高差:1694m 累積標高:上り 1419m・下り 2317m 距離:26.8km(GPSを探しに戻ったので長め)

この日水平道でGPSを無くしてしまった。はぁ...。
この三日間のログは予備で動かしていたGPSロガーで取ったもので、ガーミンよりちょっと距離が多めに出る。


1時に目覚ましをかけ、テント場を2時37分出発。
やはり1時起きははた迷惑だと思う。周りを起こしてしまう。
隅に張るつもりでいたが、受付で、食事は予約してくださいねと言われた後だったので、真ん中に張ってくださいと言う指示を無視できなかった。

分岐から水平道に入る。トラバースなので慎重に歩く。だんだん大きくなっていく沢音が恐怖だ。これには慣れることができない。

二度ほどガレ場に入り込んでしまったりしつつも、もうじき朝日岳分岐というところまで来た。現在地を確認するためGPSを見ようとしたら、無い! 落としたか? くそっ。しばらく茫然としたが、引き返して探すしかない。
最後にGPSを見た地点より先まで戻って折返し、明るくなった道を帰ってきたが結局見当たらなかった。すれ違った数人に尋ねたが誰も見てないと言う。たぶんポケットから落ちて草むらの中に埋もれてしまったんだろう。


いいところだけど、落ち込んでしばらく写真を撮る気にもなれなかった。
お金で買えるものを無くしただけだ、致命的なことじゃないじゃないかと言い聞かせながら、気持ちを切り替えるように努めていたがなかなか難しい。


雪倉岳が見えてきた。



それまで穏やかだったのに、雪倉岳の尾根に乗り上げた途端強い風にさらされた。ザックからウインドブレーカーを出して羽織る。

馴染みの無い山だった雪倉岳は、北アルプスを実感する大きい山だった。
長くきつい登りだったけど、また来てみたい。


8:44 雪倉岳山頂。
長い登りだった。一息ついてすぐ出発。


さあ後は白馬だ。
この日は高曇り兼晴れみたいな空で、太陽を雲が覆っていてくれていたので体力的にかなり助かった。
昨日とおとといみたいにずっと日が照っていたらだいぶきつかったと思う。


雪倉岳から先はこの花を多く見かけた。
ツクモグサかと思ったが違うか。あれは6月頃咲く花だ。


鞍部に建っている雪倉岳避難小屋目指し下っていく。
風はずっと強く、この後白馬岳まで強風にさらされながら進むことになった。もともと風のとおりやすい所なのかもしれないし、天候が変わる前兆なのかもしれない。

避難小屋には数人が休憩中だった。小屋の周りはがっちり石積みで囲ってあるのでやはり風が強いところなんだろう。トイレを借りて出発。


鉢ヶ岳の斜面で一箇所雪渓を横断するところがあり、後で来るおじさんと若者のためにと出来るだけ大きく蹴り込んで歩いたが、ほんとは一旦下に降りて迂回するのが推奨ルートだったらしい。


この辺りで多く見かけたユリ。
最盛期ではなかったけど花の多いところだった。最盛期って7月終わり頃なのかな? 雪が多そうだけど今度この辺りに来るならその時期がいいんだろうな。


三国境への登りに入る。ここは我慢の登りだ。

もう一息で三国境というあたりで上からおじさんの声がした。
「風強いから大池行って蓮華温泉か栂池に降りるよー」
「わかりましたー」
「彼が心配だよ。25キロだよ?」

振り向くと、あえぎあえぎ登ってくる見習い修行僧の姿が遠くに見えた。
天気が崩れると思われる明日とあさって、不帰キレットから鹿島槍という難所を越えていく若者のことが心配で、おじさんは同じようなことを何度か口にしていた。

「じゃあ行くから、気をつけてね」
「ありがとうございましたー」

おじさんがなんとなく僕らのことを気にかけていたのは伝わっていたし、僕も二人のことは心のどこかで常に気にしていた。それは若者も同じだったと思う。
ここでこの人たちとはお別れだ。おじさんは大池、僕は猿倉、若者は上高地へ。


10:49 三国境到着。一番奥の稜線に朝日小屋が小さく見える。あそこを出て8時間以上たってるのか。
以前来たとき、いい風景だなーと見ていた稜線を歩けて感慨深いものがある。あのときはここを歩くなんて考えてもいなかったし山の名前も全然知らなかったが、歩いてきた今はわかる。
手前が鉢ヶ岳、右に雪倉岳、奥に朝日岳、その左に前朝日と朝日小屋。しばらく歩いてきた道筋を目で追っていた。


白馬岳手前でパトロールの人から目的地を聞かれ、猿倉へ降りると答えると、天気が崩れるので15時までには下山を始めるようにと言われた。
まだ11時だし、白馬山荘でゆっくりメシを食っても13時には下山開始できるだろう。


11:26 白馬岳到着。
前回は何も見えなかっただけに嬉しい。
でもまあ今まで見えていた景色と大きく変わるわけじゃないので、長居はしなかった。




さあメシだと白馬山荘の大きい食堂でカレーを食べたが、いかにも業務用レトルトで美味しくない。前もこうだったっけ? 朝日小屋の夕食が恋しい。

若者が通らないかなと注意していたが姿を見ることはできなかった。今日は頂上宿舎までと言っていたので白馬の山頂でゆっくりしているのかもしれない。まだ昼だし。


さあ後は下るだけだ。


13:11 避難小屋。
10人くらいがここで休憩していて、一目で初心者とわかる大学生くらいの男女4人連れに、小屋までどれくらいかかるか尋ねられた。
「たぶん1時間くらいですよ」
あぁーっと嘆息と苦笑いが漏れる。みんな疲れているのがありありで気の毒になるが、ゆっくりゆっくりいくしかないだろう。ここって有名だけど楽なコースじゃないからな。





もうよれよれで最後の林道歩きをこなす。振り返ったら白馬に雲がかかり始めていた。


16:10 ヘロッヘロで猿倉到着。よし温泉だ! タクシーが待機していたので即乗り込み、みみずくの湯へ。
みみずくの湯から白馬駅までは歩いて10〜15分だ。食事をとるほどの時間は無かったが、自宅へ帰れる最終の18:14発に乗って無事帰還。

意外だったのは、翌日以降筋肉痛が皆無だったこと。あんだけ疲れたんだからひどい筋肉痛になるかと思っていた。温泉が効いたのかな?

また朝日岳周辺には行ってみたい。もう少し早い時期に。いつか栂海新道を下ってみてもいいかもしれない。



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