2017年5月24日水曜日

2017.4中旬 雲母山−二本木山−石尊山




石尊山は荒れたところだった。





この時期ならではの甲府盆地の桃の花、ついでに勝沼ぶどう郷駅の桜と駅を飛び交うツバメを見たくなり、昨年五月に中尾根から茶臼山へと歩いた際に地図を忘れて断念した石尊山に行ってみることにした。

どう組み合わせて歩こうか迷ったが、長い距離を歩く気がなかったのと、後半の石尊山に備え時間の余裕を持った方がいいだろうと思い最短でいけそうな尾根を選んだ。昨年笹子峠から降りてきたとき目をつけておいた笹子沢川左岸の尾根だ。
この尾根は取付きから最初の伐採地に出るまでの10分程は灌木で歩きづらかったが、それ以降、特に境界線に合流してからは踏跡がしっかりして歩きやすくなった。取付きから950mまでの短いあいだに、切りたてほやほやな感じの伐採地が3箇所あったのでそれなりに人は入っていそうだ。こういうのがあると熊への恐怖がやわらぐ。

そのまま大沢山までは順調だったが、それ以降は細かい尾根の分岐も増え、踏み跡が見当たらなかったり分かれていたりで方向確認が必要になるところが多くなった。難しかったのは、大沢山からの下り、茶臼山からの下り、610m付近から石尊山へ向かう尾根への下降点。他にもちょこちょこと。


甲斐大和駅6:51 - 取付7:27 - 9:29雲母山10:01 - 二本木山10:35 - 大沢山 - 11:33茶臼山11:39 - 石尊山12:41 - 13:59勝沼ぶどう郷駅



甲斐大和駅スタート。この駅をこれほど使うようになるとは去年まで思ってなかった。コンビニがあるのは大きい。

しばらくは笹子峠へ向けて舗装路を歩く。いたるところで桜の花が咲いている。近くで見ると終りかけなのに気づくが遠目にはまだ充分美しい。
日影集落には駒飼宿と書かれた案内板が立っていて、そこに描かれている当時の集落の様子は、もちろん建物は新しくなっているが集落の規模や戸数などあまり今と変わらないように思えた。笹子峠を越えてきた人や馬、これから越えようとする人や馬がここでひといき入れたそうだ。

日影下バス停を過ぎて二つ目のカーブのところに来た。ここが去年達沢山からの下山途中に目をつけておいた取付きだ。大和小中学校林と書いてある看板が建っていて山の中へ道が続いているのが見える。


薄暗い植林の中に木段がつけられた道が続いているが、木段は土に埋もれてたり朽ちかけてたりしている。そんなに人が入っている様子はなく、なんだか荒れ気味だが子供たちは来るのかな?

舗装林道を横切ってまた植林の山へ入っていく。間もなく道は尽きてしまったが、もう尾根の上まですぐだった。


尾根に出た。
細い枝が張り出して歩きにくいが、まあ許容範囲だ。


ちょっと踏み跡がしっかりしてきなと思ったら伐採地に出た。標高840m付近。
東側の展望が広がる。奥に連なるのは大沢山あたりの稜線だろうか?
眼下には工場らしき建物がわりと近くに見える。
こんな展望のいいところがあると知ってればここで休憩とったのに。さっき尾根に出たとこで休んだばかりだ。

さらにしっかりしてきた踏み跡を10分も歩くとまた伐採地に出た。ここは標高890m付近。
さっきは東側だったが今度は西側斜面がきれいに伐採されている。

そしてこの後もう一度950m点のところにも伐採地があった。計三箇所。
ここから、下をとおっている林道が間近に見えた。標高差は100m程だしこの尾根から上がってこれそうだ。林業の人もここを行き来するんじゃないかと思う。
甲斐大和から最短で雲母山に行きたければこの尾根は使えるかも。でもまあそんな人はあまりいないか。


970m付近で境界線に乗るとそこからは格段に歩きやすくなった。境界杭なども頻繁に出てくる。
この970m付近は三つの尾根が合わさるところで、下ってきた場合は北、北東、東と三つに尾根が分かれるので要注意地点となる。

これが僕が登ってきた北東の尾根を上から見たところ。

他のふたつの尾根は顕著な尾根形状だが、北東の尾根はパッと見ただの斜面に見えるため、ふらふら歩いてると他のどちらかの尾根を下ってしまう可能性が高い。

でも北東の尾根を末端まで下るというのが目的ならそれは道間違いになるけど、早く降りるのが目的なら、ここで他のふたつの尾根のどちらかを降りるのは正解かもしれない。かもしれないというのは僕が実際に歩いてないからで、地図を見る限りどちらも林道の終点あたりに降りれそうに思う。ただ沢があるのでそこが渡れるかが不明ではある。まあ標高差100mほどなので渡れなかったら登り返せばいい(それが難しいか)。このふたつの尾根も山仕事の入山口として使われてそうだ。


林道に降り立った。
写真左から中央へ伸びているなだらかな尾根の先が雲母山で、本日の最高峰。1213.7m。


そのなだらかな尾根に入り10分ほどなだらかに歩く。最初は灌木が茂っていた。
少し下って一旦林道に降りたち、その林道を横切って(「この尾根↑雲母山」と書かれた赤テープあり)、はっきりした踏み跡の急な登りをこなすと雲母山山頂へ到着。
手製の古い標識が木に掛けられている。
ここで昼食にした。

昼食を終え、さっき横切った林道へ引き返し右折。
雲母山登り口まではブルドーザーの跡のある車道だったが、右折した先は造成途中のような道になった。歩く分には幅が広くて歩きやすい。
雑木一色なのが嬉しい。今日は植林がずっとつきまとっていた。


やがて轍の跡のある林道に出て、その道を右折し二本木山へ向かう。
一帯は大きな伐採地で、去年は植林作業をしている人を見たが今日は誰もいない。とても静かだ。
当たり前のようにここまで誰とも会っていないし、たぶん下山まで誰とも会わないだろう。いや茶臼山には誰かいるかも。


二本木山

二本木山へはここから登る。


道の途中といった感じの二本木山山頂を過ぎ、大沢山まで植林の多い踏み跡を進む。


大沢山着。
ここまでは迷うようなところは無かったが、問題はこここから先だった。

前回、ここからの下りで境界線を行こうとして途中で逸れてしまったので、今回再挑戦したがまた逸れていってしまった。
逸れたところは気持ちいい雑木の尾根で、そのまま下って途中から進路変更しようかとも思ったが、念のため登りなおした。境界線はもういいや。

そのあと、茶臼平と書かれた手製標識がある植林帯の中の小ピークから下るときに、間違った尾根を降りてしまい、少し行ったところで気づいて引き返した。
ここで確認しといたほうがいいいなと思いつつも、大丈夫だろうと立ち止まらないで進んでしまったが、登り返しの心と体の消耗を考えると、やっぱり降りる前に確認するべきだと思った。

堀切を何度か横断し、茶臼山到着。
山頂手前で年配女性二人組とすれ違った。どこまで行くんだろう?

少し休憩した後石尊山目指し下りにかかったが、広がっていて目指す尾根へ乗るのが分かりづらい。最初は間違った方向へ進みかけた。コンパスと地形図とGPSを駆使したあと、青テープに導かれ目当ての尾根へたどりつくことができた。青テープに感謝だ。

無事尾根に乗ったあとは分かりやすくなり境界杭も出てくる。
途中顕著な北東へ伸びる尾根への分岐があり、これまで導いてくれた青テープはそっちへ下っていってるが、コンパスと地形図で確認すると僕が向かうのは北だった。青テープとはここでお別れとなってしまった。ありがとう青テープ。


そういえばいつの間にか植林がなくなっている。


切れ目から見えた甲府盆地。ピンク色が桃の花。


そろそろ石尊山への分岐があるはずだと気をつけて歩いていたが、それらしきところが無い。
境界杭と標識の残骸のような枯れ木の立つ、この写真のところに差し掛かったとき、ん? ここなんか怪しいな、と感じたが、斜面を覗き込んでも分岐する踏み跡は見えなかったので先へ進んだ。


GPSで確認すると石尊山へ分岐するあたりは過ぎてしまっている。でもこんな明瞭な道が続いている。相変わらず境界杭もある。
これだけ明瞭な道だから、どっかで方向を変えて石尊山へ向かうんじゃないかという思いがあったのでそのまま進んだ。


が、行き止まってしまった。
急な下り斜面だけど降りれなくはないかな?
北へ70mほど降りれば道が通っているようだが、ここを降りていくのは無謀な気もする。というか降りたら石尊山へ行けないじゃないか。
まあ登り返すか。ちょっと休憩しよう。疲労は大敵だ。


さっきの、ん? と思ったところまで登り返し、もう一度よく斜面を覗いてみたら赤テープを発見した。やっぱりここから降りるんだ。
もっと明確な道があるかと思っていた。踏み跡は無いしけっこう急な斜面だ。


雑木の中を下っていくとだんだん尾根の形になってきて

明瞭な道になった


伐採地に出て、一旦下った鞍部に動物除けの金網が張られていた。ここで下山するならこのゲートを開けて左に少しだけ進むと林道終点(荒れている)に出る。
目の前のこんもりが石尊山なのでゲートを開けてまっすぐ進んだが、倒木が折り重なっていてえらい荒れようだ。通り抜けるのが大変だった。通行止めのしるしだったりして。

すぐに石尊山山頂と思われる辺りには着いたが、標識も三角点も見当たらない。
しばらくうろうろと2~3往復したが見つけられなかった。荒れ気味で、人もほとんど入っていない様子だ。

山頂は分からなかったが、端の方で石垣の跡らしきものを見かけた。ここも山城だったのかな?

山頂から直接降りれるのか北側を探ってみたが、踏み跡は無いしちょっと急なので、ゲートまで戻り林道から下山することにした。ここで無理することはない。

林道に出て少し進んだところで子供イノシシがすごい勢いで前を横切った。道は大きな水たまりになっていたのでヌタ場にしてるのかもしれない。最近毎回イノシシに会うなぁ。金網の外にいたけど彼(彼女)はこれから大丈夫だろうか。

荒れた林道もやがて舗装路になって住宅地の中を歩くようになった。勝沼ぶどう郷駅までは一時間以上の長い道のりだ。春になって気温が上がってきてるのもあり最後へろへろになって駅についた。

駅にはツバメも飛んでいて桜も綺麗だったが、人がたくさんいてツバメの姿も声も埋没してしまう。やっぱり早朝がいいな。



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