今回の目的は九鬼山から高畑山間の未知の稜線を歩く事と、高畑山の仙人小屋跡に行く事。
40年以上前に亡くなるまで、高畑山には男性がひとりで小屋を建てて住んでいて、高畑山の仙人と呼ばれていた。
住んでいた小屋は今は取り壊されてしまって跡形も無いが、鍋などが少しだけ残されている。
というようなことをwebで見かけて、これはぜひ行ってみたい! と思ったんだけど数年間にここは歩いているんだよなぁ。でも仙人小屋跡なんて全く記憶にない。何でだろうと思ったけど特に何も無かったからだろうな。
杉山新道は、等高線が詰まった斜面に悠々とジグザグを切って付けられているとても歩きやすい道で、疲れを最小限にという意図が明確に感じられた。
杉山さんという人が作ったんだろうけど地主さんなのか?
九鬼山から高畑山までの稜線は、草が繁茂しているところもあるけど、道はしっかりしていて標識も要所にある。鈴ヶ音峠手前までは植林が主なので退屈だったがそれ以降は雑木が広がるところも出てきて、特に高畑山手前の木々は美しかった。たまに富士山や今倉山方面が見えるところがあるが展望は基本的に無い。
高畑山からは、雑木→植林→雑木→植林という風に続く。
仙人小屋跡は植林帯の中。
富士みちを北東方向に進むと、リニア線の手前に九鬼山への標識が出ているので右折する。
右折するとレンガ作りの橋が目に飛び込んでくる。
落合水路橋という1907年に作られた有形文化財の煉瓦造りの橋で、上部が水路になっていて今も発電所に水を流し続けているそうだ。
愛宕神社コースとの分岐。
杉山新道は右へ。
すぐに取付きがあった。
入ってすぐは草が張り出していたがすぐにそれも無くなり、植林主体の明瞭な道が続く。
すごく歩きやすい道で、等高線が詰まった辺りは大きくじぐざぐを切ってゆったり登っていく道がつけられているので、あまり汗をかかず歩ける。
ずっとつきまとっていた植林が途切れてしばらくしたら弥生峠に乗り上げた。
三差路になっているが、右へは通せんぼしてある。昭文社の地図に載っているグレー破線の道へ続くんだと思うが廃道状態なんだろうな。
富士見平に着く。
ここは愛宕神社からの道との合流地点でもある。
九鬼山着。
広く平らな山頂で、北側は滝子山から扇山までの展望があり、南は切り開きから富士山が見える。
10分程山頂にいたが独り占めだった。たぶんもう少し遅い時間になるとにぎやかになるんだろう。
来た道を分岐迄引き返し、ここから高畑山への道へ入る。
植林が右側か左側かに常につきまとっていて、作業道兼登山道という感じだ。
大幡峠から近ヶ坂峠への道に感じが似ている。楽しい気分になれる道ではない。
山作業の跡が目立つ鞍部から登りかえすと871m。
この辺は草の繁茂が激しかったが道を失うほどではなかった。
少し下ったところに分岐標識があった。ここから朝日小沢へ降りれるようだ。
高指山頂。
面白い形の木が生えている。
高指って名前も面白いな。言いたいことがなんとなく分かるような分からないような。
初めてで楽しみにしていた道だったがここまでは植林主体のためか退屈で眠くなってしまった。
でも鈴ヶ音峠手前に差し掛かった辺りは綺麗な森が広がっていてここでちょっと目が覚めた。
鈴ヶ音峠着。
道を挟んだ法面の上に、鈴ヶ尾山を示す標識が樹間に見える。
やたらお腹が減っていたのでちょっと早いがここで食事休憩をとることにした。
車なんて通らないだろうと思っていたが30分程の間に2台通っていった。
鈴ヶ音峠からは舗装路をしばらく歩く。
最初下り気味だったので心配になったが、すぐに左の稜線へ向かう分岐があった。
標識が二つあってどちらも左へ行くよう書かれているが、他に関係者以外立ち入り禁止の看板も出ていて鎖が張られている。どっちだよと思いながら鎖を乗り越えた。
突坂峠。ここからふたたび山道へ入る。
この入口から左を見ると鈴ヶ尾山への道が続いていた。なんか草が繁ってそうだ。歩くなら寒い時期がいいだろうか。
しばらくは雑木道。
植林帯へ入っていく。この辺りは急坂だった。
大桑山。
特に何もない。
だんだん道が岩がちになってきて、岩の上から今倉山方面が見えるところがちょこちょこっと出てくる。
なんか人の声がするなと思って歩いていたけどすぐ下がゴルフコースだった。
時々ごーっとリニアが通る音も聞こえてくる。リニアって相当長い間開発が進められているんだよなあ。
そのまま歩いているとやけに細い岩の上に出てしまった。行けなくもなさそうだけど通常登山道にしては怖すぎる。
おかしいと思い見渡すと左下に道が通っていた。
高畑山手前が今日一番の美林帯だった。
高畑山に着く。ちょうど昼時だからたくさん人がいるだろうなと思っていたが案の定賑やかだ。20~30人程いたかな。
富士山は雲で見えなくなってしまったし飯も済ませているしさっさと降りよう。
滞在1分程で下山にかかる。
しばらく雑木の気持ちいい尾根道だったが、尾根を外れて西側の斜面を下るあたりから植林一色になった。
そして斜面を下りきったあたりで念願の、
仙人小屋跡だ!
と言っても鍋がいくつか転がっている以外に何も無いところだ。
小屋は跡形もないのに鍋だけ何個か残してあるのはわざとらしい気がしたが、全部処分するのは忍びなかったのかもしれないし、何もないのもなんだしという事かもしれない。
しばらくトラバース気味に歩くうちにまた気持ち良い森になった。
斜面を降りていき穴路峠分岐に当たると、あとは沢に沿った道になる。
その後植林帯になったけどこの辺の緑もなかなか良かった。
左に貯水池を過ぎ、先のゲートを開け、標識に従ってのんびりした家々の間の道を駅へ向かう。
甲州街道から今日歩いた稜線が見えた。イマイチどれがどの山かわからないが、右端が九鬼山で真ん中が高指、左が高畑山かな?
今日のコースで良かったのはやはり九鬼山と高畑山という有名どころだった。
その間の稜線には残念ながら穴場的な良さというのは発見できなかった。
0 件のコメント:
コメントを投稿