晩秋の笹子 富士山 枯葉 カモシカ
誰にも合わない柿渋色の風景。
笹子駅(600m) → 大沢山(1460m) → ボッコノ頭(1445.9m) → 大洞山(1402.6m) → カヤノキビラノ頭(1411m) → 中尾根ノ頭(1278m) → 笹子峠(1096m) → 笹子駅 という周回。
笹子駅から20号線を西に向かい20分ほど歩くと看板が出ている。
ここを本社ヶ丸、清八山方面の看板に従って左折し、すぐにまた左に入る。
しばらく行くと右に神社が見えてくる。
奥野稲村神社
本殿と右の建物の間を通り山道に入っていく。
しばらく登って尾根に乗れば、後は大沢山まで一直線の尾根歩き。
途中の鉄塔の所でザックを降ろし、上着を着込み水分を補給した。
二つ目の鉄塔のところでパンを食べ、お菓子をつまみ、ストックを出す。
しばらくここに座って休んだ。
綺麗な青緑色の枝。
なんでこんな色になるんだろう。
大きさだと熊だよなあ・・・ それとも狸が何頭か同じところに糞をしたとか・・・
急にこの先を歩くのが怖くなった。
今日行くルートはあまり人が歩きそうにないし、ドングリもたくさん落ちている。
これは熊の爪痕か?
大菩薩方面に雪が着いているのが見える。
ここまでで笹子峠方面へ行く気は失せていた。熊に会うのが怖い。とりあえず飯を食って地図を見てルートを考えよう。
ベンチにザックを置き、腰をかけると富士山が見えた。
天気いいし富士山も見えるし本社ヶ丸か三ツ峠へ行くのがいいかな。
食事を終え、富士山を前にこれからのルートを検証する。
三ツ峠に行くと途中で暗くなりそうだから止めておこうか・・・・ 本社ヶ丸経由だと5時間半くらいか・・・笹子峠経由のコースタイムを一応見てみる。
あっ5時間半くらいだ。本社ヶ丸経由と同じだ。
ここできっぱり最初の予定通り笹子峠へ行く事に決めた。
三ツ峠に向かうと日が落ちそうだし本社ヶ丸方面も7月頃歩いたし、やっぱり歩いた事が無い道を行きたい。
熊は怖いが葉が落ちていて見通しはあるし鉢合わせしないよう注意していこう。びびり過ぎると山を歩けなくなる。
大沢山から下りかけたところが開けていて、これから向かうボッコノ頭方面への尾根がよく見えた。先に南アルプスが見える。
ボッコノ頭ってどういう意味なんだろう?ぼこっと出ているからかな?
尾根を行く
さっきのは緑がかった色だったが今度は茶色だ。ふたつの固まりがある。保護色になっていて全然分からなかった。
いずれも17cm角程の柔らかい固まりで、熊以外にこんな大きい糞はしないだろうからこの時点ではもう疑う事なく熊の糞だと考えていた。
幸いほとんどが見通しが良い尾根道なのでそれほど恐怖感は無かったが、見通しの悪い箇所では咳払いをしたり声を出したりして歩いた。
昭文社の地図に記載がある通り藪がちな道だった。
鹿かカモシカの寝床と思われる少し掘り起こしたような窪地がこの区間でところどころ目に付いた。5~6箇所は見ただろうか。
登りきってしばらく平坦で、また登りきった所が大洞山。展望無し。
カヤノキビラノ頭へ向かう。
15分程まったりしてから出発。あまり歩かれない地味なコースだと思うが標識は新しくきれいだ。
挨拶後、「あっちからさっきドドドドッとすごい音がしました」 と僕が来た方向を指さして言う。
「聞かなかったなぁ。 カモシカじゃないですかね、さっきいたから」
「カモシカどこにいましたか?」
「あっちの方です」 とカヤノキビラと大洞山の間辺りを指して答えたが木々が繁っているので良くは見えない。
男性は大菩薩方面を向いてカメラだか双眼鏡だかを手にしている。「大菩薩、雪があります」
「雪ついてますね、綺麗ですね」と返事を返し、挨拶をして別れた。
ずっとここにいたんだろうか? 峠の方からきたのかな? もう少し話して聞いてみればよかった。
この下り道は滑りやすく神経を使った。
途中に矢立の杉があるので寄っていくことにする。
言うだけあってでかかった。
ここから舗装道には戻らずショートカットの沢沿いを行く。
しばらく行って舗装道と合流し、後は駅まで1時間ほど歩く。
満月
前々から気にはしていたこの地味なコース。昭文社の地図には健脚向けと書いてあるが、アップダウンはきつくない。
展望のハイライトは大沢山からの富士山で、次が時折見える南アルプスかな。地味であまり歩かれないコースだと思うが新緑の頃は綺麗だと思う。5月頭ごろ八ヶ岳に行くときにこの辺の山々の新緑がすごくきれいで新鮮で、しまったこっちにすれば良かったと思ったことがある。
結局この日は3度糞を踏んだ。ボッコノ頭以降は鹿かカモシカと思われる糞はたくさん見たが熊と思われる糞は見なかった。
終わったときはもうこの辺はしばらく来なくていいやと思ったが、これを書いている今はまた行きたくなっている。一人で落ち葉を踏む音、冷えた空気、立ち止まったときの静けさなどが懐かしい。
0 件のコメント:
コメントを投稿