今年の冬から春にかけて、甲斐大和駅北側の登山道表記が無い領域を何度か歩いたことで、次は甲斐大和駅と上日川峠を繋いで歩きたいと自然に思うようになっていた。
下る方が楽なので、最初は上日川峠までバスで行って南下しようと思っていたが、一番早いバスに乗っても峠に着くのは9時頃になってしまい、もたもたしてると最後尾根を下る時に暗くなってしまう可能性がある。一度登ったことのある尾根だが暗い中を下りたくはない。危険だ。
逆の北上ルートだと、登り基調にはなるが甲斐大和駅から7時前には歩きだすことができ、見込みどおりにいけば15時半の甲斐大和へ下る最終バスに間に合いそうだ。これに間に合わなくても大菩薩登山口まで歩けば塩山行きのバスが18時過ぎまである。
よしこっちにしよう。難しいところは先がいい。
未踏の徳並山〜古部山間は小さいアップダウンが連続するようなのでおよそ1時間半と見て、駅から境沢ノ頭まで4時間〜4時間半、そこから上日川峠まで3時間半〜4時間と、余裕を含めて計8時間から8時間半ほどと見積もった。
と計画は出来上がったが、ネットで検索しても同じコースを歩いた記録が見当たらなかったのもあって前夜は不安になってしまい、やっぱりどっか別のとこへ行こうかなんてぐるぐるぐるぐる思ったりもした。
甲斐大和駅前の橋を渡り北東へ進む。
取り付きまでが分かりにくい。地形図よりグーグルマップやマピオンなどを参考にしたほうがいいかもしれない。
前回は三嶋神社を目指したので、今回は西光寺から行ってみることにした。
寺の脇の小道を上がる。
こんなとこも上がっていく。
大丈夫かなと思いながら歩いていると階段が出てきてこの祠に出た。
おおっ、前回このすぐ上の道を通ったぞ。
無頭天神社というらしい。すごい名前だ。どんないわれがあるんだろ。小さい祠なので神社として名前がついてるとは思わなかった。
ここで無事を祈願。
祠の裏から細い道を進んで行くと舗装路に当たるが、地形図では道表記になっているこのほんの僅かな区間が、ほとんど畑の一部みたいになっていて通るのに気が引けた。
舗装路はブドウ畑を縫うように続き、畑の周囲は動物除けのフェンスに囲まれている。
前回は途中でフェンスの扉を開けて左の尾根から登ったが、今日はこの舗装路の突き当りから右の尾根を登ることにしていた。
突き当りに着いた。扉を開けて山へ入る。
大差無いが前回登った一本西の尾根の方が登りやすかったように思った。
笹子雁ヶ腹摺山方面が見えるところが数ヶ所あった。なかなかかっこいい稜線だ。
展望を期待するコースじゃないが、たまにこういう開けたところもある。
というか、この日踏むピークに展望とか開放感とかは最初から期待していない。
地味な駅を出て、地味な道を長々と歩き、地味な山頂をいくつも踏む1日なのだ。
一息入れて先へ進む。ここから古部山までは未踏区間となる。
この区間は細かいアップダウンが続いて結構きつかった。
植林作業地あり、美林あり、アップダウンあり。
古部山に着いた。地味だ。
ここでパンなど食べて休憩した。
古部山から先は踏み跡は薄いがテープが頻繁にある。尾根上を進むだけなのでまあ迷わない。
この日一番踏み跡が薄かったのがこの辺じゃないかな。
1413.5mで直角に右折。
この辺りは写真のように小さく背の低い標識が多い。
真っ直ぐ進む方は枝で通せんぼしてあるが、地図で見る限り踏み跡が通っててもおかしくない尾根に見える。いつかそっちも探索することになるのかもしれない。
三角コンバ。やはり地味ピークだ。
ここは前回左に巻きそうになったので、今回は注意して踏み跡とテープを拾い無事真っ直ぐ着くことができた。
美林帯を登りきり、伐採された境沢ノ頭に着く。
山頂標などは朽ちかけていた。
山頂の北側から右と左へ分岐があって、右が今日進む上日川峠方面。こっちの方が踏み跡は濃い。かくれっ窪と書かれた標識が置いてあるが倒れていたので立てかけておいた。
左は宮后山方面で、こっちは標識はないが境界標が目印になる。
前に古部山から宮后山へ歩いた時は、この降り口がわからなくて何度かコンパスで確認した。
地味なアップダウンの道を行く。踏み跡は明遼。
最後の林道への下りは、赤ペンキの目印が書かれた顕著な作業道のような踏み跡を降りてきたが、少し離れたところにもテープが点々と付いていたから道がもう一つあるのかもしれない。
林道に降り立った。
この辺りを杣坂峠とする記録と牛奥峠とする記録の両方あって、どっちなのかはっきりしない。
ここには竜門峡を示す標識があったが、地形図を見てもどういうルートで道があるのかさっぱりわからない。
未訪のかくれっ窪と絡めて探索してみようか? あまり気は進まないけど.....。
降り立ったところのすぐ先にベンチの置かれた休憩所らしき場所があり、その先で何か工事をやっていた。
この辺りは林道沿いに開けているので南大菩薩方面の展望がある。
なんだこれ かわいいな〜
遊歩道みたいだ。さっきまでと全然違う。
安心していいのか?なんかあるんじゃないか? としばらく半信半疑だった。
少し進んだところに牛奥峠と書かれた標識があったが、ここ自体は峠地形じゃなかったように思う。
源次郎岳分岐先のブナの大木
下日川峠付近。
少し進んだゲートのとこに腰掛けて昼食にした。
ここから幅の広い未舗装路を進む。ガードレールが設置されていて轍の跡があるので車が通るようだ。
と思ってたらこんな施設が見えてきた。
この建物の右を通って進んで行く。リボンが目印だが最初分からなくて探してしまった。
傾斜のゆるい快適な道が続く。巻道も充実している。前半のあの細かいアップダウンの地味な道となんて違いなんだろう。別荘があらわれて人が散策していてもおかしくない。いやそっちの方が自然に思える。
元々作業道だったんだろうか? それとも登山道として整備した道なんだろうか。よく踏まれているし草刈りもされているようだ。
中日川峠付近。
逆から来たらここを入っていく。
大菩薩湖
散策路みたいな道も途中から退屈になった。飽きた。変化って大事だ。
上日川峠には13:56着。
ロッヂ長兵衛前にバスが停まっていたので聞くと14時発だという。
おぉぴったしと3台連なった最後尾のバスに乗り込んで、ぐっすり眠って甲斐大和駅まで戻った。
後回しにしていたコース、最初は一泊で行こうかと思っていたコースを、計画どおり無事歩けて充実した気分だし、肩の荷を一つ降ろせた気がする。
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