2016年11月6日日曜日

2016.10中旬 権現岳-編笠山




観音平下の防火帯から甲斐駒ケ岳。
ここからの景色も大事な目的の一つだった。




観音平8:16→三ツ頭11:16→11:54権現岳11:57→13:11編笠山13:51→15:36観音平15:41→17:35小淵沢駅


9月頭に一度、滝子山南稜を登って以降ひと月以上山に行かなかった。天気が悪かったのが大きいがこんなの久しぶりだ。
10月に入り天気も安定してきたので検討を始めたが、まだ意欲が戻りきってないところもあって、行き方を調べたりするなどの手間がかかる初めての山じゃなく、何度か登った事のある権現岳に行くことにした。権現岳は3年ぶりだ。
編笠山は今夏一度登っているので寄らないつもりだったが、青年小屋へ着いた時点で余力がある気がしたので(でも足がつってしまった)ついでに登ってきた。

編笠山と権現岳を一度に行く場合、時計回りに編笠山→権現岳と歩く人が多いが、僕は権現岳→編笠山の方が人が少なくて気にいっている。それに編笠山から先に登ると青年小屋でのんびりしてしまい、権現はもういいやといつも思ってしまうのだ。



小淵沢駅からタクシーで観音平へ。3300円程。途中道沿いにコンビニがあるので行動食などで不足があれば寄ってもらう事もできる。

権現岳へは、観音平駐車場東側のベンチや東屋がある辺りから標識に三味線滝と書いてある方へ進む。権現岳への分岐までだいたい25分くらい。この区間は八ヶ岳横断歩道だが、歩道と言っても結構アップダウンがあって歩きごたえのある道だ。
ここに着いた時一頭の鹿が笹の中を急いで逃げていった。八ヶ岳山麓は鹿が多い。


笹の中になだらかで明瞭な道が続いている。隣の編笠山への道と違い岩が無くて歩きやすい。
初めて人とすれ違ったのは10時前ごろだったか。それから後は断続的に降りてくる人に会った。


広葉樹とカラマツと笹の道から、栂かな?下草の薄い針葉樹の森に変わってしばらく行くと、ヘリポートと標識がある切り開かれた平坦地に着く。

2013年の4月にここでツェルトを張って泊まったことがある。
権現岳へ登ろうと甲斐小泉駅から上がってきて、ここでアイゼンをつけようとして家に忘れてきたのに気付き、回れ道して帰るのも馬鹿みたいなので、この眺めのいい場所に泊まって朝日を拝んでから帰ることにしたのだ。
周囲の樹林帯には雪が残っていて道も凍結していたが、ここは日当たりがいいせいで雪は全く無くポカポカ暖かかった。
辺りには積雪期テン泊した際に出たと思われるゴミが散らばっていて、ティッシュは拾う気にならなかったがその他の目についたゴミは回収して帰ることにした。眺めにもすぐ飽きてしまい暇でしょうがなかったので、下の方まで降りたりして結構熱心にゴミを拾った。下の方は鹿の糞だらけだったなぁ。
翌朝はガスが覆っていて楽しみだった朝の光景は見れず、朝露に体を濡らしつつショボンな下山となってしまった。
 

ヘリポートから15分ほど歩くと小さいコブに乗る。
ここが木戸口公園で、看板のほかには特に何も無い。樹林帯の中の僅かな平坦地だ。


編笠山が樹間から見えた。鞍部に小さく青年小屋も見える。
編笠山と三ツ頭はだいたい同じ高さなのでまだ結構登らないといけない。200mくらいはあるかな。

山口耀久さんの八ヶ岳挽歌という本の中に、権現岳からの下山時夕刻になってしまい、出現した真っ暗な編笠山に恐怖する場面が出てくる。たぶんこの辺りから見た編笠山だろう。


三ツ頭。歩きだしてだいたい3時間。
石碑や岩がごろごろっとある開けて眺めのいい場所だ。何人か食事中だった。


雲が阿弥陀岳と赤岳の山頂を覆ってしまっているのが少し残念だが、ハイマツも出てきて高山気分が盛り上がってくる。


権現岳直下に着く。岩の形が、男が馬または女性に抱きついている後姿に見えた。
二番目に高い岩が男の頭で、正面が背中だ。


岩の基底部にある檜峰神社に挨拶をしていく。
いい感じの祠だなあ。


12時前権現岳着。
山頂標無しの剣と岩の構図で撮りたかったが、山頂標が剣と重なるように置かれていて、大きくて動かすのも怖いので石碑だけ撮った。
根元に修験の木札が見える。


さっきも書いた山口耀久さんの八ヶ岳挽歌の中に、今ある甲斐大泉と甲斐小泉から登る二つのルート以外に、西井出、谷戸などから権現岳に登る尾根道があり、八ヶ岳でこの山ほど多くの登山口を持った山はない、と書かれている。

小海線が開通して今の二つのルートに人が集約されたため、他は廃道状態になっているようだが、ウェブで検索をかけると今も僅かながら登る好事家はいるようで、材木尾根(御題目尾根)という甲斐大泉からの登路の西隣の尾根道が多く登られているようだ。
僕も数年前から権現岳南面に目をつけている尾根が一つあって、いつか登りたいとは思っているがなかなか踏み出せないままでいる。

山頂は狭く、稜線からも同じような展望はあるので早々に降りて先へ向かうことにした。


南アルプス北部の眺めがいい。

手前の左の尾根を登ってきた。小さいコブがたぶん木戸口だと思う。
右が帰りに下る尾根で、そのまま小淵沢の駅まで歩くつもりだった。
複数で来た時はタクシーを呼ぶこともあるが、一人でここに来る時はいつも駅まで歩いている。


赤岳にかかっていた雲が少し取れてきた。
迫力ある眺めだ。


ギボシに登るつもりだったのに、すっかり忘れてて巻いてしまった。
あ~うっかりしてた。まあまた来ればいいや。

この辺は慎重に。


急なザレなので下に石を落とさないよう気を使う。

左が編笠山で手前に青年小屋が見えている。工事でもやっているらしく、カンカンガンガンと音が聞こえていた。

青年小屋に着くと、やはり裏の冬季小屋の辺りで何か工事をしていて、小屋の人なのか作業員なのか行き来している。
作業員としたらやはり観音平から登ってくるんだろうか?資材はテン場にヘリで降ろせるとしても人は自力で登ってくるしかなさそうだよなぁ。

ここから下山しようと思っていたけど、なんか歩き足りない気もしたので編笠山へ登っていくことにした。

小屋を出てすぐ、大岩の上をペンキの印に従って登っていくのだが、ここでいきなり太股が攣ってしまった。
思わず心の中で苦笑いしてしまう。歩き足りないどころかやばいじゃないか。
でも幸いそんなひどい攣り方じゃなかったので、権現岳を振り返ったりしつつ休み休みゆっくり登っていった。


13:11編笠山着。
後に見える阿弥陀岳の雲もすっかり取れてる。

山頂は老若男女で大にぎわいだ。ワンゲルっぽい団体もいて、珍しく高齢者より若者の方が多い山頂だったかも。

南アルプス方面を見ながら昼食。風もそれほどなく快適だ。
この日は北アの槍ヶ岳や御嶽、乗鞍もはっきり見えた。


編笠からの下りは急で、岩の段差が大きくなかなか歩きづらい。

樹林帯に入ってもやはり岩が多くて歩きづらい道が続く。
攣りは収まってるが脚の疲労は激しく、もうへとへとだった。

道がなだらかになってきた。じきに観音平だ。
きつかったなー。

朝支度をしたのと同じベンチに腰掛けて一息つく。
初めて来た時はここから甲斐駒や北岳が見えたが、今は木が成長していて見えなくなってしまった。

疲れた•••。でもタクシーは呼ばない。防火帯からの景色を見ないといけないから。それにここからは傾斜も緩むので脚の負担もこれまでほどじゃない。

ここからヒカリゴケと標識が差す方へ降りていく。
以前は笹が茂って道がわかりづらい時もあったが、トレランのコースになったようでそのための小さい標識が立っていて草も刈られていた。

ここからの甲斐駒がかっこいい。もう少し甲府よりになると摩利支天が変な風に目立って好きじゃない。小淵沢から見るのが一番気に入っている。

この防火帯も時期によっては草やススキが繁っていたりもするが、今はすっきりと刈られている。
ここはもうちょっと黄葉が進んだときもいいし、カラマツの新緑時もまた素晴らしい。


最初は甲斐駒が見えてるが真ん中あたりまで降りてくると木で遮られ、今度は北岳が見えるようになる。


下まで降りてくると、左手には富士山、正面に鳳凰三山から鋸岳までが見える。
この道で山菜取りや散歩のおじさんには会った事があるが、登山者には会った事が無い。
静かでお気に入りの道だ。


八ヶ岳を振り返る。よく歩いたもんだ。
最初に来たのは6〜7年前だったと思うが、その時より手前の植林がだいぶ成長したので三ツ頭〜編笠山が見えづらくなってしまった。


小淵沢は乗馬が盛んで、日中だと乗馬の人に会うこともある。未舗装路には馬糞が落ちてるので暗いときは要注意だ。この日は風化したのは見かけたけど生々しいのは見なかった。

しかし今日は久しぶりにたくさん歩いた。明日筋肉痛になるだろうな。




0 件のコメント:

コメントを投稿