2014年10月6日月曜日

2014.9中旬 鳳凰三山 2日目:南御室小屋−広河原




3時からでも歩き始めたいところだが、恐がりなので暗いうちから歩き出す気にはなかなかならない。
自分に鞭をくれてなんとか4時頃出発。急坂を登っている途中で便意を催し小屋へ引き返す・・・ 再度出発。




  4:30 南御室小屋
  5:47 薬師岳    休憩9分
  6:24 観音岳
  7:36 賽ノ河原   休憩24分
  8:48 高嶺     休憩7分
  9:34 白鳳峠    休憩5分
11:18 白鳳峠入口 
11:30 広河原



小屋の横から急登だがすぐに緩い道になった。樹間から朝焼けをちらちら見ながら登っていく。


まだ暗いが足元はうかがえるのでライトを消す。
消して立ち止まった瞬間、静寂の中にいる事に気づく。
また歩き出す。自分の呼吸の音と足音を聞く。
また立ち止まる。一気に周囲の岩や木や土と親密になった気がする。
下から明かりと足音が近づいてきて追い越していく。明かりを消して歩けばとても気持ち良いのに。


実はこの樹林帯を歩いている時は、やっぱり白馬に行けば良かったなと思っていた。
が、樹林帯を抜けるとその思いは一気に消えることになった。








真ん中が赤抜沢ノ頭。奥が甲斐駒。右に地蔵岳。鳳凰小屋への道が見えているが信じられないくらい急だ。


この稜線歩きは素晴らしかった。地味な樹林帯を長々と歩いた後だけに、花崗岩ごろごろの解放的な稜線との対比が強力だった。

中央線から見るとそそられるものが無い地味な山という印象だった鳳凰三山。
人気あるみたいだし一回登ってみるかくらいの気持ちで来たが、人気がある事がよく納得できた。


賽ノ河原に着く。調べたところによると子授け地蔵らしく、1体を持ち帰り、子供が授かると2体にして返すらしい。2体持って上がってくるのは重くて大変だろう。


賽ノ河原から正面にオベリスクが見える。オベリスクって呼ぶ前、元々地元ではなんて呼んでたんだろう?
岩が右から端正に頂きに向かい、頂点に大きい岩が花びらが閉じたような形で向かい合って乗っかっている。不思議だ。これは信仰登山の対象になるよなあ。
信仰登山の山っていくつもあるけど子授け祈願というのはあまり聞いた事が無い。不思議に思ったけど、頂点の岩が抱き合ってるような形だから子授けの信仰対象になったのかな?


下山路をドンドコ沢か白鳳峠か決めかねていて、白鳳峠経由でもいいようにポカリ1Lと水1.5Lの計2.5Lの水分を持参してきていた。
白鳳峠からの道は結構きついというのをブログなどで見ていてどんな道だろうと興味があったのと、早川尾根を少しでも歩いてみたいと思っていたのが勝り、歩いているうち白鳳峠から下山しようと気持ちは固まっていた。


一旦赤抜沢ノ頭に登り返し、ここから早川尾根に入っていく。ここも気持ち良かった。


高嶺着。振り返って後ろに観音岳。なかなかかっこいい。


甲斐駒辺りは雲が覆っている。
真ん中下の鞍部が白鳳峠だ。


高嶺からちょっとした岩場を降りた後、ハイマツ帯を下っていく。


ハイマツ帯から樹林帯に入ったらすぐに白鳳峠だった。

アサヨ峰方面は崩落のため通行禁止のロープが張ってある。


峠からしばらく樹林帯だが

すぐに開けたゴーロ帯になる。北岳を正面に見ながらの気分いい下りだ。


ゴーロ帯を過ぎ、うっそうとした樹林帯に入る。白鳳峠から200m程標高を下げた辺り。




白鳳峠からこの辺りまで5〜6人程登ってくる人とすれ違った。
結構大変な道だと思う。


沢音が聞こえてきて樹間から野呂川が見えた。ここでカステラパンを食べて一息入れる。

ここからしばらく左にトラバース。


沢音が聞こえだしてからも結構長く歩いて登山口に着いた。


また山梨交通のバスに乗らなきゃいけないのかと憂鬱になりながらトボトボと広河原まで歩いた、というのは嘘でそれはもうどうでも良くなっていた。


来て良かったとつくづく思った今回の鳳凰三山。
素晴らしい稜線歩きを堪能させてもらったが、稜線に上がる前の夜明けが訪れようとする時の空気感も独特の感触を伴って心に残った。単独行でしか味わえないとまでは言わないが、他者と一緒に行くより一人の方がよりその場所と、その時の空気と、親密な時間を過ごせるのは間違いない。
もっと山の中で夜明けの時間を過ごしたい。暗いうちから歩き始め、ライトを消して立ち止まって静寂の中に身を置きたい。それにそろそろ人の少ない山を歩きたくなってきた。人と会わない山というのも寂しくて不安になるけど、記憶に残るものは多いと思う。


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