ギボシ西面
1年前くらい前、編笠山と権現岳付近が写っている昔の登山地図の写真をネットでたまたま見つけた。
興味を惹かれるところがいくつかあったが、今回はそのうちの一つ、西岳から稜線沿いに直接権現岳へ向かう廃道部分を歩いてみることにした。
下の地図は山行から帰ってきた後に探して購入した、1985年発行の日本登山図集の八ヶ岳南麓部分で、以前にネットで見た写真とほとんど同じものだ。黒丸で囲ったあたりが今回歩いた廃道部分。西岳と青年小屋を繋ぐ源治新道は、まだ開通する前だったのか描かれていない。
全ての道が権現岳を目指していて、権現岳の存在感、重要度が今の地図よりわかりやすくあらわれていると思う。今の地図だと編笠山のほうが中心になっているような気がする。
西岳 10:17 - 10:54
乙女の水 11:40
廃道取付き 11:30
のろし場直下 12:47
観音平 14:43 - 14:53
延命の湯 16:24 - 16:57
小淵沢駅 17:25
小淵沢駅からタクシーに乗り富士見高原ゴルフ場の登山口へ。タクシー代は3070円。
身支度を済ませ黄葉の道を登り始める。あっという間に季節が進んでしまった。
西岳には5年前の冬に登って以来となる。一本調子のたんたんとした登りが続いてちょっと退屈した記憶があったが、まあその記憶どおりだった。道はある程度くねくねしていてくれたほうがいい。
分岐する道を発見。尾根から離れ南側斜面へ向かうはっきりとした踏み跡がある。
これはたぶん、昔歩かれていたという乙女の水へと通じるトラバース道の入口だ。前にヤマレコで見たことがある。この前来たときは雪がついていたから気づかなかったんだろう。来年にでも歩いてみようかな。
眺めの良い山頂で、富士山から御嶽山まで絶景が広がる。木に遮られて赤岳、阿弥陀岳は見えない。
右の編笠山から左に目を移すと緑の中に沢筋の線が見える。あの沢の源頭部がのろし場で、三角のとんがった山がギボシだ。これから歩く尾根が良く見えている。
西岳を後にして源治新道に入る。なだらかで歩きやすい。
途中廃道の取付きを確認し、水補給のためいったん乙女の水へ向かう。
今日は最初からここで水を補給するつもりだったのであまり持ってこなかった。
乙女の水のわずか手前に、・・・小屋跡とかろうじて読めるプレートが木につけられていた。小屋の名前は読みとれない。
ただこの辺りは緩い斜面で、小屋を建てるような地形には見えないが…?
(帰宅後調べたら絵図小屋というそうで、ここから下った平坦地に建てられていたらしい)
乙女の水で1L程補給しUターン。
さっき確認した取付きから樹々の中へ分け入っていく。
ここからが今日の本番だ。
道の跡が消えているところもあれば、
わかりやすく残っているところもある。
倒木は多い。
樹間からたまに阿弥陀岳と赤岳が見えた。
木の足場を発見。
その木段のすぐ上が2510m圏のピークだが薮に覆われている。
どうやって抜けていくんだろうと考えつつ、南側の木がまばらな斜面へトラバースしていくとリボンと再会。そのまま上に導かれたあとはヤブピークの僅か右を巻いていく道がついていた。
東へ向かっていた道が南へ曲がるところでギボシの眺めが良いところがあったのでしばらく休憩。
縦走路がもう間近で、歩く人の姿が見え、話し声も聞こえてきた。
休憩したところから一旦下るとこんな草原状になっている。正面が青年小屋から権現岳へ向かう道が通っている稜線。
草原をまっすぐ進んでいくと、上にリボンがついているのが見えたのでそこまで上がってみた。
しかしここからがわからない。リボンは途切れてしまった。
上を見渡しても頑強なハイマツとシャクナゲのヤブに覆われて抜けれそうなところが見当たらない。もうすぐそこが縦走路なんだけどな。
上に行ってみたり一旦下に降りてみたりとしばらく右往左往したが、右(南)に少し歩くと下にリボンが落ちていて、さらに進むと踏み跡とピンクリボンが出てきた。
無事縦走路に合流。
一旦ここからのろし場に向かいかけたが、数人が休憩しているのが見えたのでまあいいやと踵を返した。
登山道から歩いてきた方向を見る。手前右が2510m圏ピークで左が西岳。奥に北アルプスから御嶽山まで見えている。久しぶりに爽快な天気だったなー。
食事は済ませていたので青年小屋は通過。観音平まで一気に降りた。
観音平からはいつもの防火帯を下る。
この道で山菜採りの人と散歩中の人には会ったことあるけど登山者に会ったことがない。いつ来ても静かで、新緑の春もいいけど秋も独特な寂寞感を感じられて気にいっている。
写真に写っているのは北岳だが、僕はここから見る巨大な甲斐駒がすごく好きだ。
毎年観音平から小淵沢駅まで歩いているけれど、八ヶ岳高原道路を横切ったあと道の駅までの道が年々廃れてきているのが気になる。ゴルフ場脇の道は石がたくさん落ちていて車道とは思えないような有様だったし、県道に沿った歩道は草ぼうぼうで歩く気にならなかった。この道も遠くないうちに廃道化してしまうのかもしれない。
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