2017年8月19日土曜日

2017.7中旬 天狗岳〜硫黄岳〜赤岳〜阿弥陀岳 2日目:オーレン小屋 - 美濃戸口






2日目 

オーレン小屋 2:41
硫黄岳 3:53 - 4:01
横岳山頂標 5:03
赤岳 6:26 - 6:53
阿弥陀岳 8:03 - 8:22
八ヶ岳山荘 10:58

八ヶ岳には20回以上来ているが阿弥陀岳を訪れるのは初めて。
御小屋尾根の上部が急なのに驚いたが、ここが今回一番印象に残ったところで、眼下に広がる広大な眺めは爽快だった。



1:30起床。昔読んだ手塚治虫のブラックジャックの中に、この時間に目を覚まそうと強く思って寝付くとちゃんとその時間に目が覚めるというようなことが描かれていて(確かブラックジャックが岩穴に閉じ込められていた場面)、この日はそのとおり前夜考えていた時間に自然に起きることができた。

昨日は17時半ごろに寝ついたが人の足音などで19時に目が覚めてしまい、そのままじっと横になっていると予報どおり雨がぱらつきだした。全開にしていたツェルトの前後を8割ほど閉めてまた横になり22時頃再度就寝。計5時間ほど寝れたことになる。
さあ結露してるかなと内壁をライトで照らすとひどくはないがしっかり結露していた。気温は9度。
20時頃は16度あったが晴れたせいかだいぶ下がってしまった。9度なら結露もしょうがない。

外に出て空を見上げると月の強い光が目に入ってきた。星も出ている。よし。
周りは寝静まってるのであまり音を立てないように撤収を済ませ、2:41ブランドーナツを食べながら出発。


昨日考えていたとおり赤岩の頭経由で登ることにした。
小動物が逃げていくガサガサっという音に何度か怯え、すぐそばでいきなり鳥が飛び立つ音に怯みながら(鳥も寝てたようだ)、月の方向へ向かって黙々と足を進める。



3:53 硫黄岳到着。
まさかの一人きりだ。いやまさかでもないのか? 
4時ごろから明るくなり始めるので山頂には当然誰かいると思っていた。ヘッドライトの明かりも見えない。意外だ。すぐ近くに小屋もあるのに。
硫黄岳の山頂に一人きりというのはもう二度とないかもしれない。風もなく穏やかだ。



4:22 硫黄岳山荘を通過。
小屋前のベンチに座って日の出を待つ人たちが見えた。
水平線に雲がかかっていて太陽が顔を出すまでもうしばらく時間がかかりそうだ。


小屋の周辺はコマクサの群生地帯で、その数の多さに驚いた。



今がコマクサの最盛期なのかな? 去年7月の頭に来た時はあまりちゃんと咲いているのを見なかったけど。


横岳の稜線には険しい斜面に小さい花々が咲き誇っている。写真だと伝わらないが、見渡す斜面にたくさんの小さい花がへばりつている光景は心に迫ってくるものがある。




5:03 横岳の山頂標識があるピークに到着。
でも後でGPSをみると最高峰の2829mピークはこの先のピークになっていた。
下の写真の真ん中より少し左あたりがそのピークだ。ここの方が休憩しやすいからここに標識を建てたんだろうか?
後で調べたらこの標識の建っているところは奥の院というらしく、最高点のほうは無名峰のようだ。
この辺りは山岳信仰の名残を感じさせる岩峰がいくつも連なっている。今は整備されているので気楽に歩けるけれど、そうでない時代ここを歩くのは本当に修行だっただろうなと思う。




やっと雲の上に太陽が昇ってきた。雲越しのぼんやりした光がはっきりした光に変わっていく。

昨年花の名前を結構調べたがやはり忘れてしまっている。チョウノスケソウだったっけ?



稜線上に人が連なっているのが見える。横岳で一人とすれ違っただけで後はひとり歩きを満喫できていたけど、赤岳に近づくにつれ堰を切ったように続々と人とすれ違うようになってきた。




6:26 赤岳。たぶん一年ぶりだ。
人が多いので写真を数枚撮って下へ移動した。


真教寺尾根と県界尾根を眺めながら朝食。お腹が減っていたけどアルファ米梅わかめご飯を水で戻しただけのものは水を入れすぎたせいで出来損ないのお粥みたいになってしまっていて全然箸が進まない。味噌汁とかスルメとか一緒に入れてればまだましだったかもしれない。

県界尾根はそうでもないが真教寺尾根は長くて時間がかかるのでしばらくいいやと思っていたが、こうして眺めているとまた歩きたい気持ちが湧いてきた。


目の前にこの花が咲いていた。コケモモだっけ?

朝食を終え文三郎尾根方面へ向かう。登ってくる人も多く岩場はやはり渋滞している。
岩場からザレたじぐざぐ道へと変わり、阿弥陀岳分岐へ到着。ここからは未知の道になる。



中岳への登り。
斜度はきついが山頂まではすぐだった。

累積標高は同じでも、稜線歩きなどの登りと下りの繰り返しって登り一辺倒よりは疲れる気がする。とくに下りから登りに転じてしばらくは脚がだるきつい。


中岳山頂。

中岳から下って鞍部に降り立った後、阿弥陀岳の登りにかかる。
ザレた急登をひーひー言いながら登る。でもこの道は下るほうが気を使いそうだ。
頂上に着いたらやったーとか着いたーと叫んでやろうと考えながら登っていたが、頭の隅でたぶんそんなことはしないだろうとも考えていた。


8:03 阿弥陀岳。
静かに山頂標に歩み寄り写真をパシャリ。

石碑や卒塔婆が目に多い山頂だ。主稜から外れているので赤岳よりは少ないが平均して10人くらいの人がいたと思う。そのうちの一人に声をかけ赤岳を背景に写真を撮ってもらった。

20分程休んだあと御小屋尾根へ。
ハイマツが張り出した狭い道をちょっと行くと前方に岩峰が立ちふさがっていた。ここはハシゴとクサリで乗り越えていく。下が切り立っているのでちょっとひやっとする。


また岩峰が出てきた。
ここは左に巻く。


岩峰を抜けると展望が開けた。
先に中央稜と御小屋尾根の分岐がある。


こっちは中央稜。
奥にぽっこり見えるのは編笠山だ。


分岐から御小屋尾根を見おろす。爽快な眺めだ。

でもここからの下りはとても急なうえにザレていて気を使わされ、景色を楽しむ余裕はあまりなくなってしまった。ながーいロープも張られている。
樹林帯に入れば傾斜も緩むかと期待したがそんなこともなく、不動清水の看板辺りでようやく緩まった。長かった。
ゆるい傾斜が長く続き上部が急峻になるというのは県界尾根や真教寺尾根と似ている。まあこの山の形どおりだ。

そしてこの不動清水あたりからまたアブ地帯に突入となった。ここでひと息入れようと立ち止まってザックをおろしたらすかさず噛まれてしまった。おちおち休んでもいられない。
すぐに出発し、ハッカスプレーをかけまくって下山を続けたが何箇所も噛まれてしまう。結局重ね着が一番いいんだろうと思い、御小屋山で長袖を上に重ねた。
ここで若い男性に会ったが何と半袖のまま平然としている。アブに噛まれませんかと聞くと、虫よけ塗っているから大丈夫とのこと。なんの虫よけなのか聞けばよかった。でも強い薬を塗るのには抵抗がある。やはり重ね着で対応するか。



御小屋尾根はシャクナゲが多かった。

もうすぐ登山口というあたりで見かけた群生。でも花は少なかった。

たくさんのアブにつきまとわれながら赤岳山荘到着。でも重ね着の威力は甚大で全く噛まれなかった。
バスが出るまで20分程。ちょうどいいタイミングだ。汗ふきシートで体を吹いてコーラを飲んだあとバスに乗り込んだ。


1日目



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