2016年3月1日火曜日

2016.1中旬 新倉山東尾根−三ツ峠−清八山



前回の杓子山の帰りに寿駅ホームから正面の山をぼけっと見ていて、ふと、この山は三ツ峠まで続いてるのかな? と気になって帰宅後地形図で確かめてみた。
そしたら936m、1019mを経由し、1184mの南で登山道に合流する尾根が通っていて、いかにも尾根通しに道がありそうな感じだ。
まあダメ元でいいやと行ってみることにした。

終わってみれば、藪尾根を無事歩けたのはいいとして、子犬らしき死骸を見たことや、キコリのおじさんとの出会いなど、なにか不思議な感触の一日になった。



寿駅8:28→取り付き8:35→9:36 1019m 9:52→登山道合流10:23→10:28御殿10:31→11:07府戸尾根11:18→12:34木無山12:40→13:03御巣鷹山→13:26露岩13:32→14:30清八山14:48→16:57笹子駅


寿駅に着き、道路を渡ったセブンイレブンに寄った後、一旦駅に戻って身支度を済ませた。

線路沿いに北東へ歩いていき、最初の踏切を渡った所が尾根の末端になる。
三ツ峠が正面に見えた。あそこまで行けるだろうか? いやとりあえずは新倉山直下の登山道までたどり着けるかだ。




踏切を渡ったところに神社の鳥居があって、山﨑稲荷社と書いてある。ここが登り口だ。
登ったらすぐにこじんまりとした赤い社があったのでお詣りをしていく。



社の左から道が続いていて、登っていくとまた鳥居があって日月神社と書いてある。
さっきの山﨑稲荷神社は素朴なお社だったが、こっちは祭礼などやっていそうなちょっと大きめの神社だった。

日月神社を過ぎると伐採地が広がり、この前登った相定ヶ峰、倉見山、富士山、三ツ峠山などが良く見えたが、肝心の富士山はちょっと送電線が邪魔だ。
あたりには桜がたくさん植樹されているがまだ小さい。どれくらいで花をつけるんだろう? 後何年かかるかわからないけど花が咲くようになれば桜の名所になりそうだ。

伐採植樹地帯を過ぎてもはっきりした道が続いていたが、送電鉄塔に当たるとその先はいきなり草薮になってしまった。ありゃこりゃだめだと一瞬思ったが、すぐに抜ける事が出来て、踏み跡もまた出てきた。
そこからは少し藪っぽいところや踏み跡が消えるところもありつつも、概ね人の仕事の跡が目につく作業道があった。はっきりした尾根で迷うところも無い。

1019点の手前で左に道が分かれる。
前方の1019点に向かう踏み跡は薄く、左に向かう道の方がしっかりとしている。左は多分、地形図に載っている葭池温泉前駅の方から上がってくる道に合流するんだろう。

せっかくだからと1019に寄ってみることにして真っ直ぐの踏み跡を追ったが、すぐに藪に埋もれてしまったので適当に斜面をよじ登った。
9:35に1019とおぼしきピークに到着。取り付きからここまでちょうど1時間ほどだ。

休憩しようと思い見渡すと、近くの木の根元に何か白い物が見えたので近づいてみた。
動物の死骸だ....。周りに白い毛が散乱している。匂いはしない。
最初は鹿の死骸かと思ったが、どうも犬のようだ。
鹿やウサギだと思いたい気持ちが湧いてくるがやっぱり見れば見るほど犬に見える。子犬か小型犬か。
毛並みが若々しくきれいで、死んでそんなに時間が経ってないと思われた。耳のような形と脚が見分けられるけど、体の大部分は喪失してしまってるみたいだ。
棒か何かでひっくり返して確かめたい衝動にかられたが、もちろんそんな事は出来ず、2mくらい離れたところから見るだけだった。
人が死骸を捨てたんだろうか?
野良犬がイノシシの牙にでも突かれたか?
考えてもわかるわけが無い。ちょっと先に進んだところで倒木に腰を掛け、行動食を食べて一服した。林業の跡と思われる切り株や倒木が目につく所だった。


ピークから下って鞍部に降りると、左下から立派な道が上がってきていた。たぶん葭池温泉前駅からの道だ。そしてそのまま尾根を横切って右へ続いている。
ちょっと考えたが、右に向う道は立派すぎるので作業道だと判断し、これまで通りまっすぐ尾根上を進むことにした。
でも少し進んで、切り倒された木が散乱している場所を過ぎたら踏み跡は完全に無くなってしまった。ちょうど等高線が詰まってくるあたり。
高みを目指す。ここは藪が無いだけマシだった。

目の前に藪が広がってきて溜息をつきたくなったが、意を決して入っていくと上手い具合に薄いところがあって思ったよりすんなり進めた。

いつの間にか鹿の足跡の上を歩いていた。手前のえぐれてるのが鹿の通った跡だ。


この急斜面をヒーヒー言いながら登りきろうかという辺りで、おじさんの大きな声が聞こえた。
おい、鉄砲撃ちか!
何度か続けて鉄砲撃ちかと大声で呼びかけられる。声に怒りが含まれていて、それに誘発され、違う!と怒り気味に返した。
藪を抜け、お互いの姿が確認できる距離まで近づくと、おじさんは、びっくりしたよ鉄砲撃ちじゃないんだなとホッとした顔で何度も口にした。登山道から少しはずれて用でも足そうとしていたみたいだ。
そりゃびっくりするよな~悪い事したなと思い、さっき怒って返答したのが恥ずかしくなった。
よく見れば爺さんと言っていい年だがなかなかイケメンなおじさんだ。

すぐに登山道に合流し、おじさんを先にして一緒に歩く。
「びっくりしたよ、どっから登ってきたの?」
「寿駅から尾根を通って」
「あぁ? 道ねえだろう?」
「途中まではあったんですけど」
「ほ〜っ、やまおとこだな(ニコッ)」
一緒に歩いた5分くらいの間に結構話した。
この先眺めがいいところがあってそこで仲間と待ち合わせしてるということ、熊の肝が手に入ったこと、木樵をやってるということ。
木樵? なるほど65歳くらいに見えたが足取りがしっかりしていて早歩きだ。

新倉山の標識を写真に収めようとしたら、そこじゃないよ、先に眺めがいいとこがあるからと急かす。
ワイワイと声が聞こえてくると、御殿と書かれた標柱が建つ所に着いた。10人くらい人がいて、おじさんの仲間らしく挨拶を交わしている。
こっちこっちと連れて行かれたとこからの富士山は素晴らしかった。

倉見山と杓子山も見える。都留市の方もよく見えた。写真の右手前に上がってくるのが登ってきた尾根だ。
ここまで葭池温泉前駅からだと手軽に来れるみたいでたくさんの人が休んでいた。眺めが良くていいとこだ。

じゃあ行きますとおじさんに挨拶する。
どこまで行くの?
とりあえず三ツ峠まで行きます。
よく歩くな~、気をつけてね。

ここからまた誰にも会わない静かな尾根歩きだ。
途中滝への分岐があった。地図を見ると往復1時間以上かかるので見送って先へ進む。


府戸尾根手前は急坂で、ロープが張られた箇所が幾つかあった。
下りだと結構難儀しそうだ。


11:07 府戸尾根へ合流。ここで10分程休憩をとった。富士山がよく見える。
霜山へは少し戻らないといけないようなのでスルーし、先へ向かうことにした。

ゆる~い府戸尾根の登りをこなして12:34木無山へ到着。少し休んでから出発。すれ違う人が増えてくる。

最高峰の開運山は人が多いので最初から行くつもりは無かった。それまでに眺めのいい場所はいくつもあったし、これまで何度か来ているし。
大勢の人を横目に巻道を通って御巣鷹山へ向かう。



13:03 御巣鷹山着。
ここからの道は3~4年前くらいの春に本社ヶ丸から歩いたことがあって、この御巣鷹山直下の登りが急で凍結もあって結構つらかった記憶がある。
凍結や積雪を心配していたが、凍結は無く、積雪もほんのわずかで全然歩くのに支障が無い程度だった。何と言っても落ち葉が少ないので快適に歩けた。


茶臼山。確か少し登山道から外れたピークだった。


鉄塔から都留市方面。


大幡八丁峠から清八山への登りにかかる。ここまで細かなアップダウンがあってなかなか消耗したがこれが最後の登りだ。高低差100mくらいだから15分くらいだけど、急な登りできつい。

やった。やっと清八山に着いた。14:30。
予想どおり誰もいない。独り占めだ。
よくやった、よく歩いたな~なんて独り言が口をつく。無事ここまで来れてほっとした。あとは下るだけだ。
八ヶ岳や南アルプス方面も見える。雪が少ないなあ。


下山開始。

日が傾いてきていい感じの光りが差している。


15:39 登山口着。この前来たのは三年ちょい前だけど、植林がだいぶ育ってポストが見えづらくなってきている。早いもんだな。

三年半前、2012年7月に来た時はこんなだった。
今はすくすく育ってるなと微笑ましく思うけど、やがて暗い植林帯になってしまうと思うと.....。


今日のメインである寿駅裏から新倉山への尾根は、藪はあったけど痩せ尾根や岩場などの危険な箇所は全く無かった。
もう一度歩いてみたいとは思わないが、1019から下った鞍部の分岐で右に行ったら新倉山か御殿へ登るもっとちゃんとした道があったのかもしれないと、ちょっと気になってはいるので、いつかそこを確かめに行くかもしれない。

糖質を制限しながらの山登りも3回目で、今回が距離も標高差も一番あったが体は快調だ。
今日摂った糖質は小さいマロンケーキとカカオクッキー1個ずつ。あとはブランパン1個、唐揚げ3個、あたりめ、小魚やナッツなどの行動食で済ませ、長めの食事休憩は設けず、ちょこちょこ食べながら歩いてきた。
水はなるべく多く飲むように心掛けていて、基本2Lは持つようにしている。糖質制限をする前は今の時期だと1.5L持って大分余らしていた。タンパク質主体の食事は水を多めに摂ったほうがいいらしいのでたくさん飲むよう心掛けている。そのおかげか前よりむくむ事が無くなった。

日帰りは前回と今回である程度やれるのは分かったけど、問題は数日間の縦走だ。どうしようかな。



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