2017年1月17日火曜日

2016.12上旬 ハマイバ丸西尾根




途中まで暗い雰囲気だったハマイバ丸西尾根だが、1610m辺りで植林帯を抜けたあとは明るい雑木の丘が広がる別天地があらわれた。




甲斐大和駅6:54→大蔵沢大鹿林道起点8:10→8:55取付き8:59→11:01ハマイバ丸11:27→大谷ヶ丸12:24→景徳院分岐13:47→15:12甲斐大和駅



ハマイバ丸へは、駅から大蔵沢大鹿林道起点まで1時間ほど県道を歩いたあと、林道と山道を交互に歩くことになる。
巡視路へ入って林道に出るまでと、取付きと書いたところから林道にでるまでの区間は、ショートカットの山道だ。
前者のショートカットは巡視路なので歩きやすいけど、後者は落葉の積もった足場が不安定な急斜面があって、ここはもう歩きたくないなと思うようなところだった。でもここをショートカットしないとかなり林道を歩くことになるので、またここへ来ることがあればこのルートを使うことになると思う。まあしばらく来ることはないと思うけど。




甲斐大和駅を出て、上日川峠への県道を歩く。
上日川峠行きのバスはまだ走っているので乗っていこうかとも思ったが、歩いた方が少しだけ早く着けそうだし、あのバス待ちの喧騒が嫌だった。

景徳院前にある公園。動物の目が不気味だ。まつ毛とか描いて目をクリクリっとさせればいいのに。


日川渓谷レジャーセンターを過ぎ、蕎麦屋を過ぎて少し進むと、県道が左にカーブするところで林道が右にわかれるのでここを入っていく。大蔵沢大鹿林道というらしい。
トイレ休憩を入れて駅からここまで1時間ちょっとかかっている。長い。


林道へ入り道なりに5~6分進むと、左の山側に白いポールと祠の立つ巡視路の入口があるのでここを入る。


幅が広く、しっかり整備されいて歩きやすい。

途中尾根へ行く道とトラバースとにわかれるが、地図で確認すると尾根道は林道のトンネル部分の上を通っていき、林道とは交差しないようなのでトラバースのほうへ進んだ。


ショートカット完了。写真左の方から登ってきた。
こっち側はちゃんと三方向を示す標識があるが、僕が来た側には標識はなかったような気がする。

ここからはしばらく林道歩き。


途中、右に米背負峠への道を分ける。


右にカーブして橋を渡ったところに尾根が降りてきている。ここが取付きだ。山仕事用のチェーンソーが置いてあり、伐採された木が目についた。
ここまで駅から2時間かかっている。長かった。


尾根へ取り付いたが、楽そうに見えた斜面は登ってみると急で、這い上がるように尾根上に出た。
左に植林が迫る尾根のてっぺんを進んでいくと、やがて腰くらいの高さの硬い笹地帯に突入。薄く道筋ができているので、たぶん山仕事の人が行き来するんだと思う。

この区間でもっとも等高線が詰まったあたりに差し掛かる。まあ短いしたいしたことないだろうと根拠なく思ってたこの区間がこの日一番の難所だった。落葉の堆積した岩の急斜面だ。リラックスリラックスと心の中で言い聞かせながら慎重に慎重にこわごわ通過。
そこを過ぎるとなだらかで歩きやすい雑木の尾根道になった。ピンチの後にチャンスあり。山があれば谷がある。葉の落ちた木々と晴れ渡った空。気持ちがほがらかに緩んでいく。
相変わらず笹が行く手を阻もうとするが最初の頃よりまばらだし、先が見通せてる尾根では障害にはならなかった。





第二のショートカット完了。林道がカーブするところに出てきた。

ここから林道を西へ向かう。今日初めての富士山が見えた。
すぐに道が右に鋭角に曲がるところがあり、ここで身支度兼休憩。ぽかぽかと陽が当たって暖かい。汗をかいていたのでフリースを脱いだ。

休憩場所からは、これから登る尾根がこんな感じで見えている。
あの擁壁のキワを登って尾根へ乗るのがいいんだろうけど急で尻込みしてしまう。
もうちょっと楽な取付きがあるかもしれないから少し林道を歩いてみよう。なかったらしょうがない、ここから登ろう。

しばらく擁壁に沿って林道を歩くが切れ目がなかなかあらわれてくれない。
1箇所途切れ目があったが急斜面なので見送った。次に植林帯へ入っていく途切れ目があったがここも躊躇する傾斜だ。登れなくはなさそうだがなあ・・・ もう少し進んでみるか。
と、そんなに歩かないうちにテープを発見。
よしここから登ろう。
赤テープとピンクリボンの2種類があって、テープは沢状のくぼみへ、リボンはくぼみに面した斜面の植林帯へ向かっている。最初はくぼみの方へ進んだが、歩きにくかったので植林帯へ向かうことにした。

が、踏み跡薄い急斜面でずるずるすべるし、作業道なので変な方向へ行ってしまったりもする。途中で道筋も分からなくなったので適当によじ登っていったが、どう進んでも急登だ。沢状のくぼみの方を行くべきだったか。
いや、最初から素直に擁壁のキワを登っておけば良かったんだろう。


ようやく尾根へ上がりきる。ふくらはぎがパンパンだ。
尾根上はカラマツの植林帯で歩きやすいが、枝打ちの跡などが目についてちょっと暗い感じを受けるところだった。

地形図で見ると、さざ波のような等高線が広がる中、尾根は1500mくらいからいったん南に向きを変え、1550m付近で今度は北東へ向きを変えハマイバ丸へ上がっていく。
このあたりが要注意地点だと思っていたけど、実際歩いてみると確かに茫洋としたところではあったが登りなので問題はなかった。下りだとだいぶ難しいんじゃないかと思う。


薄暗い植林帯の急登で滅入りそうになるけど、その先が光り輝いているのでそれをはげみにじっくり進む。


植林帯を抜ける。
まぶしい。瞳孔がキュッと縮まるのを感じた気がした。
うわあと小さく声が出る。
これまでの雰囲気が暗かったせいか楽園のように感じた。周りを見渡しながらゆっくりじっくり歩いていく。


さんさんと光が降り注ぐ雑木の尾根を登り切った先に、こんもりとした丘が見えた。あそこが山頂かな? 

周囲はうねうねとした雑木と草原がゆったり広がっている。なんだか広い公園を歩いてるような気分だ。これで池があったら完璧だ。



岩が点在するこんもりとした丘は山頂ではなかった。先に見えている高みが山頂のようだ。

うねうねした地形の高みのフチをのんびり進み、山頂の少し南側、ちょうど富士山が見えるところで無事登山道と合流して、ハマイバ丸へ到着。

食事を摂ることにしたが風が強くてすごく寒い。ダウンなど着こんで体は大丈夫だったが手がとにかく冷たかった。
早々に食事を済ませ出発。動いてないと冷えてしまう。






米背負峠の僅かに手前、東側に尾根が降りていくところに目立つ青いテープ発見。
米背負峠の東側は急で、ここに道があったんだろうかといつも思っていたが、このテープがその道の目印だろうか? 


短い急登を登り大谷ヶ丸へ到着。そのまま通過し、少し踏み跡薄めなジグザグ道を降りていく。
樹間から富士山が見えるがなぜかやけに大きい気がする。さっきより近づいたからなのか、気のせいか。
この辺りは人も少なく、というか誰ともすれ違わず、静かで葉の落ちた雑木のなかをカサカサ歩くことができた。いい気分だ。


この防火帯を道だと思い迷いこむ人が結構いる。でもここからスミ沢沿いの道へ降りれそうな気もするのでいつか探索してみたい。


いい道だなあ。少しさびしい感じがまたいい。


靴の中敷きをスーパーフィートに替えたら全然合わず、土踏まずに豆ができていて、ハマイバ丸の登りあたりから痛くてしょうがなかった。
最短の道で下山したいところだが、もう少し我慢することにして予定どおりオッ立の西側の分岐から景徳院へ降りることにする。


そしてこの下山道がまた素晴らしかった。数年前に通ったことがあるが、こんないい道だったんだ。
何度か心の中で声を出していた。
三年前と景色が変わってるはずはないので、自分の受け止め方が変わったんだろう。
以前は葉のついてない冬の道は退屈にしか感じてなかったのに。





冬枯れた木々が心に残る良い1日だった。氷川神社で今日の無事を感謝し、山を降りる。

ここは最後家の敷地の真ん中を通らないといけなくて面食らう。爺さんがいて一瞬緊張したが、挨拶をすると普通に返事が返ってきた。





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