2015年10月17日土曜日

2015.9下旬 裏銀座縦走 1日目:高瀬ダム〜烏帽子小屋



烏帽子岳



シルバーウィークの裏銀座縦走3泊4日 ブナ立尾根−西鎌尾根−槍ヶ岳−上高地



前日夜あずさで松本駅に着いて駅寝。4時間くらいは寝たかな? 

4時半にセットした目覚ましで起きて、松屋で朝食を摂り、コンビニで行動食とおにぎりを買い、トイレで歯磨きを済ませ大糸線に乗り込む。

前に座った女の子二人組のちょっとだけ熱い仕事話しを聞いたり聞かなかったりしてるうちに寝入っていて、終点の信濃大町駅に着いて降りる人達のざわめきで目が覚めた。


裏銀座1日目 高瀬ダム8:11→8:33濁沢登山口(水場)→10:41三角点→11:41烏帽子小屋→12:06幕営地13:09→14:07烏帽子岳14:13→15:07幕営地


信濃大町駅から高瀬ダムまでタクシーに乗ることになるが、たくさん登山者がいたのに高瀬ダムまで行く人は少ない。扇沢へ行く人が多いんだろうか?
駅前に水場があったので汲みたしてからタクシーに乗り込んだ。発車後運転手さんに登山届を渡され、車に揺られながら記入。七倉で提出しないといけないそうだ。

「駅からタクシーの人って少ないんですか?」
「そうねえ、七倉まで車の人が多いね、夜行バスとかね。今朝はすごかったよ、たくさん高瀬ダムまで乗せたよ」

七倉に着くとすごい車の数だ。こりゃテン場空いてないかもなぁ。
一旦車から降りて指導所に登山届を提出。ツェルト、行動食を持ってるかなど聞かれた。
再度タクシーに乗り込んでゲートの先へ進む。


8時前に高瀬ダム到着。堤頂の真ん中辺りで降車。タクシー代8200円 。二人だったので4100円ずつ払った。

この湖は何でこんな色してんだろうとか思いつつ、ぽつぽつと設置してあるベンチに座っておにぎり1個と菓子パン2口食べた。山の高いところに紅葉が見える。

8:11出発。

トンネルを抜け、吊り橋を渡る。
この辺の風景は妙に寂寞感があって心に残った。なんだか行き止まりまで来てしまったなあというような。


歩き出して20分でブナ立尾根取り付きに着く。水場を示す標識があるけど3.7L背負ってるのでスルー。

ていうか何で3.7Lも担いでるんだよ? と今思うけど、ここから先三俣山荘まで水場は無く、消毒した天水を各小屋で購入しなければいけないということだったので、じゃあまあ少し多めに担いで行くかと。東京の水道水は美味いし。 

水分の内訳は、水2L、スポドリ1.5L、ジュース200ml。
小屋までの消費はスポドリ750ml位とジュース全部の950mlほどだった。

登り始めはブナ林。ゆっくりゆっくりと何度も自分に言い聞かせながら登る。明日も明後日もあることだし。

できれば小屋までは休まず行きたかったので、ザックの腰ポケットに菓子パンとおにぎり1個を詰めこみ、写真を頻繁に撮るので立ち止まる回数はとても多いけれど(ダムから小屋まで131枚。フィルムカメラだとありえない)、なるべくザックを降ろしたり腰掛けたりしないで済むようにしていた。


たまに樹間から見える不動岳方面の崩壊がすごい。


上の方へ来ると色付いた葉が目立ってくる。

登り始め40分くらいは誰にも会わなかったので、裏銀座はやっぱり人が少ないんだなあと思っていたけど全くの間違いで、その後は続々とたくさんの人に会った。


だいぶ上がってきたなあ。正面は餓鬼岳?

おおっ、あれが烏帽子岳?それともニセ烏帽子ってやつか?


11:41 烏帽子小屋。歩き始めてちょうど3時間半。

テント場の受付を済ます。テント代800円。
カップ麺くださいと言うと、今やってないとのことだった。忙しくて手が回らないってことだろう。ビールは売ってくれたので2本買ってテン場へ向かう。

テント場は、小屋から三ツ岳方面に進み、小高い丘を超えたところから道を下りきったところまで木などで幾つかに区切られながら両脇に点在していて、良さげなところだ。個室もある。
そして下りきった池のほとりも張り場となっていて、こちらも良い感じ。

が、それどころじゃない。もうびっちり埋まっている。まだ12時前なのに・・・ 普段ならちょっと後ろめたいくらいの時間じゃない? 

気がつけば僕の前も後ろもテントを張ろうと場所を探す人達で難民の列になっている。
池のほとりに詰めてもらえば一張りできそうな所が見え、池の対岸にも周囲から離れた飛び地が見えた。
対岸の飛び地には惹かれたけど、あそこまで行くうちに他の人が張ってたらまた探し直しになってさらに条件が厳しくなると考え、結局その辺の稜線にツェルトを張った。

このテン場は公称20張となっているが、全然それより多く張れる。実際この日は池のほとりだけで20張はあったように思う。
上部はさらに張れるのでこの日は60張超えてたんじゃないだろうか。稜線にもいくつも張られていたし。

幕営地からの展望。
赤牛岳から降りてくる尾根の向こうに薬師岳がちらっと見える。
ブルーベリーみたいな木の実がたくさん周辺になっていて、ちょっとつまんでみた。おいしい。

ツェルトを張り終え、ビールを飲んでおにぎりを2個食べたあと、烏帽子岳に登ることにした。
おにぎり買ってきてよかった。あの小屋の様子だとお菓子ぐらいしか売ってくれなそうな感じだった。

ニセ烏帽子と池。この辺りは登山道脇に池が点在している。地味な印象を持っていたけどえらくいいところだ。やっぱり来てみないと分からないな。

池に沿って踏み跡があるのが気になった。家に帰って地形図を見たら道が描いてあったが、今は植生保護などで廃道にしているのかもしれない。


まるで燕岳に来てるみたいな景観。1200m位尾根を登るところとか、小屋から北の方にお目当の山があるところも似ている。あっちもものすごい人出だろうな。


ニセ烏帽子を超えたら烏帽子岳が間近に見える。いいねえ。

ニセから下って少し行くと烏帽子岳への分岐があるのでそこを左に入っていく。
幕営地にもあったブルーベリー? が登山道沿いにずっとなっていて、分岐の所でビニール袋に一心不乱に詰め込んでいる若い女性がいた。この手前でも同じようにビニール袋に半分ほど詰め込んでいるおばさんを見た。目がすごい。
ちょっとつまむくらいにしておいてほしいもんだ。ビニールに半分はやり過ぎだと思うよ。

右の鎖が下がっているところを登る。鎖の左の岩にもステップが彫ってあって登りやすそうだった。

鎖場を登ったらトラバース。写真は振り返って撮った。高度感は少しあるが距離は短い。

一旦基部に立ち、岩の間を登って頂上へ向かうことになるが、一人しか立てない所なので順番待ちになる。
この時は3人くらい並んでいた。

岩の間を登って頂上に立つ。足元は切れている。
でも帰って調べたら本当の頂上は左にあったこの写真の岩だそうだ。まあ知ってても登らなかっただろうからいいや。

烏帽子岳の向こう側の景色が見え、池塘に目が奪われる。あぁ来てよかった...
しばらくゆっくり眺めていたいところだけど、順番待ちの人がいるので写真を数枚撮って降りる。
降りたところの基部は休憩適地で10人くらいがくつろいでいた。僕も少しここで休んでから下山。

右奥に見える山は最初剱岳かと思ったが方向が違うなあと思っていた。後ろのおばさま達の言うには針ノ木岳らしい。
あの池塘の道を歩きたい。でも今は行かない。今度あっちの山と絡めて歩こう。


ニセ烏帽子へ短い登り返し。

明日歩く三ツ岳への稜線。


テン場の池まで戻ってきた。

幕営地に着き、最後のおにぎりを食べてビールを飲む。
テント難民が何人も稜線を行き来している。
稜線は風が心配だからなんとかテン場にもぐり込みますよと言ってる人がいた。
その通りで、ガスが覆いだしてだいぶ風が強まってきた。寒くて我慢できなくなったのでツェルトに入って地図を見たりして過ごすことにした。


17時頃ビールの空缶捨てと水の補給で小屋へ向かう。

池の脇の登山道に入ると風がぴたりとも吹いてないのに驚いた。
大勢の人が池のほとりや道の脇で和気あいあいと食事をしてるのを見て愕然とする。

風は僕が張っている富山側から吹いていて、テン場は稜線から下がった長野側だから完全に遮られてるのだ。うらやましい.....。 1分程しか離れてないのに風とガスで殺伐とした僕の所とは全く別世界だ。
いや、でもこっちのぎゅうぎゅう詰めのとこに張ってても別の憂鬱事があったかもしれないよと考え直す。人間万事塞翁が馬と言うし。

1L200円の水を購入し、食事時のなごやかなテン場を超えて殺伐とした幕営地に戻る。
お湯を沸かしアルファ米と味噌汁と麻婆豆腐の食事をすまし、コーヒーを飲みながら昭文社の地図を眺めつつ明日の行程を思う。

北アルプスのメジャーな道なので地形図は持ってこなかった。あれば実際の景色と見比べて楽しめるけど。
予定は、高瀬ダムー烏帽子小屋ー三俣山荘か双六小屋ー槍ヶ岳山荘ー新穂高で、登山届もそれで出した。
シルバーウィークは槍ヶ岳の肩から穂先の往復で4時間かかったというのを直前にネットで見たので、できれば明日は双六まで行ってその翌日の槍ヶ岳に余裕を持っておきたいところだ。

18:30 ガスが取れていた。風は変わらず吹き続けている。

一旦19時頃寝たが19時半に目が覚めてからなかなか寝付けなかった。昨日もあまり寝てないがまあいつもの事でもある。
去年も一昨年もそれで特に日中の行動に支障は無かったからあまり気にならないんだけど、寝袋にくるまってじっとしてるのは退屈だ。
ツェルトの扉は開放してるので、ちょっと頭を伸ばして星を見たり、明かりをつけて地図を眺めたりして過ごした。

気温は4度ほど。満天の星空。




2日目へ








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