高畑山北尾根690m付近でイノシシに遭遇。遭遇といってもイノシシはこっちに気づいてなく(何度も笛を吹いたのに)、僕がかなりあわてふためいたのと対照的に、しばらくのんびりと尾根をうろついていた。
倉岳山を過ぎた中盤以降の細かいアップダウンがなかなか効いて、最後の矢平山へ登るときはもうヘトヘトだった。
でもこの中盤以降こそ、地味ゆえに人が少なく静かな尾根歩きを堪能できる区間ではあった。矢平山へのつらい登りの記憶が薄れた頃にまた行ってみようかな。
鳥沢駅からまず高畑山を目指す。小篠集落に入り、T字路で高畑山を指す標識とは逆方向へ向かう。ここまで来ると目印である小篠のイトヒバとお目当ての北尾根がもう間近に見えている。
面白みを損なわないために事前の調査は最小限にするようにしたいところだが、現地で迷うのは嫌なので取付きまではある程度調べていくようにしている。今回はこのイトヒバが目印で、この辺りから北尾根へ向け入っていくということだった。
これが小篠のイトヒバ。
後ろは扇山かな。
畦道を進んだ突当りには斜面に沿って道があり、山側には獣除けのフェンスが張られている。
昨年初めてフェンスの扉を開けて山に入ったときは、こういうことをしてもいいもんなんだろうか? と不安に思ったもんだけどもう慣れてきた。
尾根に乗り上げると、まず灰色の電柱が目に入った。上へ向かって電線だか電話線だかが伸びている。
あ、上に何か建物があるんだろうなと思いつつ急登を登っていくと、案の定アンテナ施設らしき建物があらわれた。
建物を過ぎてずんずん歩いていく。踏跡は薄くなったが薮はないし迷うところもない。
右に植林、左に自然林というありがちな尾根風景だ。植林に覆われた西側は暗く、葉の落ちた雑木が広がる東側は明るいが、北尾根なので全体的に日が差すのが遅い。寒い時期なのでなるべく南側から登りたいと考えていろいろ検討もしてみたが、めぼしい尾根を見つけられなかった。
左の斜面から落葉を踏むカサカサという足音が聞こえてきて耳を澄ます。重い音じゃない。ヤマドリか? とりあえず笛を何度かぴーぴー鳴らしてみたが足音はやまない。ヤマドリならすぐ逃げてくはずだけどな? 猿だろうか? いや猿も逃げるはずだ。なぜかこのときはイノシシとは考えなかった。
あまり深くは考えずそのまま進んでいったところで、左斜め前方の斜面をイノシシが登ってくるのが見えた。20mくらい離れていただろうか。後ろにもう一、二頭いたような気がするが、すごく動揺したのではっきりわからない。あざやかな赤茶色の毛をした、まだだいぶ若い小学生か中学生くらいのイノシシで、目がすごくあどけなくてかわいかったのが一瞬強く印象に残った。同時にものすごくびっくりし、すかさず踵を返して音をたてないように気をつかいながら足早に来た道を戻った。
1分くらい下ったところで待機し、5分後くらいに意を決して登り始めたが、先程の引き返し地点を過ぎて少しのところでまたがさがさと足音が聞こえてきた。まだいるんだ。しかしこっちの足音には気づかないんだろうか? 野生動物なのに鈍感じゃないか?
再度引き返して少しだけ木に登ったところで待機し、次の出発でようやくそこを抜けることができた。右の斜面からザザザザッと逃げていく足音が聞こえ拍子抜けする。これなら最初から手荒く音を立てて進めばよかったと思ったが、もし突進されたらひとたまりもないのでやむをえなかったとも思う。
イノシシ遭遇地点近くにあった地蔵様
登山道に当たるが横切ってそのまま尾根を直進していく。
横切るとき踏んだ道の固さが、これまでと全然違っていた。
相変わらず右が植林、左が雑木の尾根を歩いていると、鞍部で古い標識発見。
もともとは尾根通しに道があったのか、もう少し先で合流する正規登山道が以前はここで合流していたかだという気がする。なんとなく後者じゃないかと思ったが詳細はわからない。後でネットで検索してみたが手掛かりは得られなかった。
高畑山へあとひといきというところで、さっき横切った正規登山道に合流。
この先で植林もなくなり、感じのいい道になって頂上にいたる。
高畑山着。ここは三度目だが富士山が見えたのは初めてだ。
高畑山からの下りは急だった。それにちょっとザレ気味ですべりやすい。
倉岳山でお昼を摂る。富士山にはさっきよりも雲が上がってきている。
11時頃で、他にも昼食中の人は多かった。
これは南大菩薩方面の眺め。
高畑山は北側の景色がないが、倉岳山は北側も開けている。
細野山、鳥屋山は植林の中で、手製の小さい標識がかかっていた。
その他小ピークをいくつか越えていく。
ところどころにこんな感じのいいとこもあり、人も少なくてなかなかいい。
またいつかここは歩いてみたい。
763m峰は北側に巻道があり、だいぶへばっていたので躊躇なくそっちを進んだ。
そして前方にそびえている矢平山を残すだけとなったが......。
140mほどの標高差だが、終盤ということもありこの日一番きつく感じた登りだった。
が、青い空を後景にした冬枯れた木々の感じがよくて気分は悪くない。でもきつい。
登りきったところの風景もすごくよかった。山頂はもうすぐそこだ。
これが山頂。
さああとはもう下るだけだ。
と思ったらまた小さいコブを登らされた。
そしてそのコブから降りていったところで、よく踏まれた固い道に当たった。
これまでの道も普通にちゃんとした道だったが、この道は年季が違う。かなり踏まれていて固い。昔からの峠道だろうか?
今僕が降りてきたコブの斜面を巻いて西側へ道は伸びている。そっちに行ってみたいと思ったが、なにしろもうヘトヘトだったのでまたの機会ということにした。まだ登ったことがない高柄山と合わせてまた来ればいいだろう。
新大地峠周辺からしばらくは、林道が付かず離れずといった風につきまとっている。
休憩所が設置してあったりと道はとてもよく整備されているしよく踏まれている。それに後半はくぼみ状になっていて、やはり昔からよく歩かれた道なんだろうなと思わせられた。そして急な傾斜がなくてとても歩きやすい。帰ったらこの道のことを調べてみよう。
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