2014年6月24日火曜日

2014/5下旬 西尾根より宮后山(大滝山) 〜棚横手山  





0930 勝沼ぶどう郷駅
1100   取り付き地点
1102 838.2m三角点
1213 1080m付近左折箇所
1218 鬢櫛川からの道に合流
1230 林道行き止まり箇所 1240発
1253 材木放置箇所(作業小屋跡?)
1307 宮后山(大滝山)
1327 棚横手山


参考本 : バリエーションハイキング/松浦隆康



勝沼ぶどう郷駅を右に出てレンガのトンネルをくぐり、三光寺の大杉を通り過ぎ、大滝不動尊前宮を通り過ぎ、キャンプ場で朝食休憩。


キャンプ場を出てすぐ左手の神社に白い花が咲いていた。名前は分からないけど綺麗だ。


舗装された林道をてくてく歩いていくとこれから歩こうとする尾根が見えた。ジャングルに見える。歩けるのか? 不安だ。


林道が西向きから東へ鋭角に曲がる箇所に着く。写真は登ろうとする尾根の下る側。全然歩けそうに見える。

カーブを曲がると取り付けそうな踏み跡らしきものが見えた。地形図に載っている道が左から上がってきている(黄色い車止めが僅かに見えている。細い土の道)。林道を少し先に進んでみたが崖になっていたのでここから登る事にした。



すぐに三角点があった。

先を見ると普通に歩きやすそうでほっとする。


最初のはっきりとした道はだんだん薄くなったりもするが、尾根を行くだけなので迷うことは無い。登りがきつくなると踏み跡が分かりづらくなる。たぶん直登したりジグザグを切ったりとそれぞれの人がいろんな登り方をするからだと思う。僕も直登したり踏み跡どおりにジグザグを切ったりして進む。何度かコンパスと地図と高度計で現在地を確認した。

まだ鬱蒼とまではいかない新緑の木漏れ日の中を歩く。樹間から見える日差しは眩しく強いが木漏れ日の道はそれほど汗をかくこともなくとても快適で、若葉の木々に守られている気がして幸せな気持ちになる。


左からザザッと大きい音がする。ビビりながらホゥとかフンッと声を出しストックを打ち鳴らしながら目を凝らすと山鳥が慌てて逃げていくのが見えほっとする。数度同様な事があった。しばらくぶりに持ち出した熊鈴はポケットの中に入っていて結局鳴らすことなく最後まで歩いた。イヤホンで音楽を聴きながら歩くのと同じで、熊鈴を鳴らしながら歩くと必要な物音を聞き逃しそうで不安だ。代わりに何度か笛を吹いた。

1000mを過ぎて緩やかになり、1030mあたりからしばらく平坦になる。左に植林がせまってきて木にビニールが巻かれているのが見える。

もう少し行って急な登りをこなしたら1080m付近で左折することになる。地形図で確認しながら進む。

基準杭が頻繁にあり、それに沿って歩く感じ。テープ、標識の類は全く無い。


地形図通りに急登を少しこなし、平坦なT字路に着く。
右を見たところ。
こっちの方が歩きやすそうに見えた。

左。こっちが宮后山への方向。


5分程進んだところで左から登ってくる鬢櫛川からの道と合わさる。地形図には記載されているが僕の持ってる山と高原地図には載ってない道で、ここだけ見る限りは明瞭な道に見えた。ここまでテープなどは見なかったが、ここから先で木の枝にペットボトルがかぶせてあるのを何個か見た。


段々と植林が多くなり暗めの雰囲気になってくる。小さいこぶがあり、急な下りに踏み跡らしきものも見えるが、右に明瞭な道があるのでそっちに進んでみる。ここが唯一迷いを感じた場所だったが右の道はただの巻き道ですぐに合わさった。鹿の糞がたくさん落ちている。少し進むと林道に出た。地図には記載されていない。
林道は左から登ってきて、僕が来た道と交わる所で行き止まりになっている。まだ真新しい感じだ。


10分休憩後出発。

しばらくは踏まずに進むのが難しいくらい多くの鹿の糞が落ちていた。


切り倒された木やワイヤーが段々目に付きだすと木材が並べられた(積んである?)所があった。これが本に出ていた作業小屋跡なのか?

この辺りの前後はワイヤーや伐採された木材など人が作業した跡の散らかりが目に付き、荒れてる印象を受けた。

最初の瑞々しい感動は薄れ、景色も何か殺伐として見え、早く宮后山に着かないかなあと思って歩いていた。疲れてきたせいもあるだろうし、空腹だったせいもあると思う。


ひと登りして道なりに右に進んだ辺りから景色が明るくなった気がした。あれ人の声が聞こえる?と思ったら宮后山山頂に着いた。展望なし。
グループがお食事中だったので先に進む。


ここからは明確で明るい道を歩ける。気持ちもあからさまに明るくなった。


しばらく行くといきなり開け驚く。


右手に稜線を進む。ここからは展望の開けた道をずっと歩くことになるが、それは数度の山火事で木が焼け落ちてしまったからみたい。
林道が多いのも、植林のためと火事が起こったときに対応しなければいけないからなのかな。



棚横手山着。山頂は狭いが誰もいなかったのでここで遅めの昼食を摂った。


右に南アルプスが霞んで見える。棚横手山から少し進んだ辺り。

棚横手山を出て20分程で大滝不動尊への分岐があり、少し登ると富士見台と看板があるが今さら富士見でもないよなあと思う。さらに15分程行くとまた大滝不動尊への分岐がある。
このまま甲州高尾山(地形図では宮后山)の頂を通り、本に載っていた深沢分校ルートを下山し、日影トンネルを通り駅へ戻る計画だったがふと思い出した。トンネルは16時で閉まるんじゃなかったっけ?
今14:30で、トンネルの入口着は順調にいって16時頃じゃないか? う〜んと3分考えたが、この分岐で思い出したのも何かのあれかもなあと思いこのまま大滝不動尊へ降りることにした。
2年前もトンネルまで行ったら工事かなにかで通行止めだったことがあった。まあまた来ればいいや。


大滝不動尊手前で社が崩れていた。雪かな?

これが在りし日の社。


橋が見えてきた。2月に来たときは下から上がってきたが、雪がすごかったのであそこで引き返した。

大滝不動尊


てくてくと林道をくだる。行きに登った尾根が見えた。

 大滝川沿いを下り


前宮の脇を通り


ぶどう畑の里に下りてくる


838.2m手前から宮后山までが一般的な登山道ではなかったわけだけど、林道に当たる手前のこぶを巻いた箇所で、?と思っただけで、後は踏み跡が薄い箇所はあるが明瞭な道が付いている場合も多く道迷いをする気はしなかった。もちろん地形図、コンパスはちょこちょこ見たし、GPSロガーとマップポインターを要所で使って、今どこにいてこれからどういう地形を行くのか把握するようにはしていた。

林道を下りながら、今日の道程はなんだか人生の比喩のように思えた。比喩というより願望か。
尾根を登っている時、周囲は輝いている。木々の葉が甘滴が落ちてきそうな程瑞々しい。樹間から差す光は強烈だが新緑のトンネルに守られながら進んでいく。
少しずつ変化が表れる。景色がだんだんと陰ってくる。このまま進んでいいのかと迷う事が出てくる。次第に殺伐としてきた道を、増していく足の痛みと共に晴れない気分のまま進んでいく。
もう何度目か分からない急な坂を登りきると、なんだか少し周囲の景色が明るくなった気がする。と、一気に目の前が開ける。正面に信じられない大きさの美しい線を持った山が見える。しばらく見惚れて動くことができない。
いつの間にか下り道を歩いている。途中で昔登った尾根を見上げる。もうあそこを登る気力も体力も無い。不安を抱えながら歩いていた事を思い出す。葉の上の光が無垢な白金の粉のように眩しかった事を思い出す。やがて力尽きるときが訪れ。。。




0 件のコメント:

コメントを投稿